生涯恥ずかしさランキング第1位!

――ちなみに、もう体調に問題はないのでしょうか。

いまは大丈夫です。

――倒れた場所が風俗店だったことをひた隠しにする場面も、本作の面白さのひとつです。その実体験を漫画にすることに抵抗はありませんでしたか?

いや、すごくありました。『くも漫。』を描いたのは、漫画の編集者をやっている弟(中川敦)から「兄ちゃん、例の風俗のすべらない話を漫画にしてみない?」と持ちかけられたのがきっかけなんですが、最初は全国に自分の恥が広まるのがイヤだなと思ってたんですよ。
でも「トーチweb」という立ち上げたばかりのウェブサイトでの連載だったから、あまり読まれずにこっそりやれるんじゃないかなと思って、引き受けました。

――ということは、連載を始める段階ではここまで広がるとは思っていなかったんですか。

まったく思ってなかったです。何なら、そうなってほしくないぐらいに思ってましたから(笑)

【漫画あり】風俗店で、くも膜下出血を発症した29歳が過ごした世界一恥ずかしい闘病生活_3

――恥ずかしさは、いつ頃からなくなっていったのでしょうか。

第3話が風俗店で倒れて集中治療室に運ばれる話だったので、発表するのが本当にイヤだったんですが、公開してみたら「すごく面白い」っていう反応をたくさんいただけて、それに嬉しくなって恥ずかしさが軽減されていった感じです。
でも、いまだになくなったわけではなくて、恥ずかしいは恥ずかしいんですよ。

【漫画あり】風俗店で、くも膜下出血を発症した29歳が過ごした世界一恥ずかしい闘病生活_4

――となると、2017年に映画化された際は、また恥ずかしさが込み上げてきたんじゃないですか?

映画化は、そんなに恥ずかしいとは思わなかったんですよ。公開規模も小さめだったし、主演も脳みそ夫さんに決まって、どんどん自分のことじゃないみたいになっていったんですけど、公開後に僕自身が『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日系)に出演することになってしまって。そこで、これは決定的に全国のお茶の間に届くなと、恥かしさがぶり返しました。
放送から3か月ぐらいはSNSで「歯が汚い」とかつぶやかれたりして、本当にイヤでしたね(笑)。 
まあ、3か月で慣れましたけど。