世界の映画祭で注目された力作が!

TIFFの花形、コンペティション部門には2作。カザフスタン代表のエミール・バイガジン監督『ライフ』(2022)と、イラン代表のホウマン・セイエディ監督『第三次世界大戦』(2022)が選ばれた。

特に『第三次世界大戦』は、今年のヴェネチア国際映画祭「オリゾンティ部門」で最優秀作品賞と最優秀男優賞を受賞した話題作。第二次世界大戦を題材にした映画撮影が舞台で、エキストラとして参加していた日雇い労働者が、ヒトラー役に抜擢され悲劇に見舞われるという風刺劇だ。

ロシアがボイコットを表明したアカデミー賞。国際長編映画部門で日本代表『PLAN75』の対抗馬となるのは?_02
『ライフ』
©Emir Baigazin Production
ロシアがボイコットを表明したアカデミー賞。国際長編映画部門で日本代表『PLAN75』の対抗馬となるのは?_03
『第三次世界大戦』
©Houman Seyedi

国際映画祭で注目されたものの、日本での公開がまだ決まっていない作品を上映するワールド・フォーカス部門には、ウクライナ代表のマリナ・エル・ゴルバチ監督『クロンダイク』(2022)が選ばれている。

ロシアがボイコットを表明したアカデミー賞。国際長編映画部門で日本代表『PLAN75』の対抗馬となるのは?_04
『クロンダイク』
©Protim, Kedr Film

2014年のマレーシア航空墜落事故を背景に、ウクライナ・ドネツク地方に住む夫婦の緊張感溢れる日常を描き出す。サンダンス映画祭とサラエボ映画祭で監督賞、ベルリン国際映画祭でエキュメニカル審査員賞を受賞するなど各国の映画祭を席巻中の注目作だ。

ちなみにウクライナを侵攻しているロシアはアカデミー賞のボイコットを表明し、国際長編映画部門にロシア作品を提出していない。