もう一つの「面積問題」

近年のiPhoneではカメラのセンサーやレンズの大型化が続いており、特に「Pro」モデルにおいては、ボディ背面に配置された物理的なカメラ領域がどんどん大きくなってきている。

カメラモジュールの縦の長さは、3つのカメラが搭載されていたiPhone 11 Proでは約3.1mm、iPhone 12 Proでは約3.6mm、iPhone 13 Proでは3.9mmと徐々に拡大してきた。

レンズのサイズも、iPhone 13になるタイミングで直径約14mmに拡大しており(iPhone 12では直径約12mm)、iPhone 12 Pro Maxと同じサイズになった。iPhone 13 Pro Maxには、さらに大きい約15.5mmが搭載されている。

今後もカメラセンサーとレンズを拡大し続けながら光学的にカメラ性能を高めていく場合、カメラモジュール部分もそれに比例して拡大していくことになる。

そこで問題になるのが、筐体の面積が小さい5.4インチの「mini」モデルだ。

現行iPhoneのボディ背面にはカメラモジュールに加えて、ワイヤレス充電やアクセサリーを磁石で接続できる「MagSafe」が配置されている。カメラサイズが拡大し、モジュールが大きくなっていくと、端末の中央に配置してあるMagSafeと干渉してしまい、アクセサリーをくっつけられなくなってしまう懸念が生じる。

バッテリー性能だけでなく、カメラ性能の面から見ても、サイズが足枷となってしまう「mini」モデルがラインアップからなくなってしまうのは、十分に納得できるものだ。

「mini」モデルは廃止に? 新iPhoneに期待する進化のポイント_4
背面のカメラモジュール部分が拡大し続けている昨今のiPhone(写真/apple.com)