「人となり」がわかると「推せる」
――なるほど……そうしているうちに全く違う展開になる場合もありますし。
デスペラード はい。
――1試合ごとだけでなく、団体全体、プロレス界全体の大きな流れも見ていらっしゃるのですね。試合後のコメントでは「フィジカルに関しては今、新日本に上がってるジュニア勢の中ではぶっちぎりだとは思ってんだよ。ただな、脳みそと練習量と考え方がちいーっと足りないかな?」とマスター・ワト選手にメッセージを送るなど、相手選手への言及もいつも聞き応えがあります。
デスペラード 僕は会場全体に向かって次の目標を言う、みたいなことは不得意なので、試合が終わった相手選手に対して何か言うことが多くなっちゃうんですけどね。会場全体に対して「もっともっともっと楽しもうぜ」みたいな決めゼリフを言えるあいつ(高橋ヒロム選手)は、やっぱりすごいなと思います。俺にはできねえなと。
――でもご自分のキャラクターとしてはそれでOKだと思っていらっしゃるのですよね。
デスペラード OKです。これもマンガの影響を受けている部分だと思うんですけど「これをやったらおもしろいだろうな。でもこれ俺はじゃないよな」と考えてやらないことも多いですね。醒めるじゃないですか。ターちゃんが急に相手の金玉を蹴り上げたりしたら嫌ですよね(笑)。
無理をしないことが大事。僕が何年も選手としてスイングしなかったのは無理していたからだと思います。ここまで自分の趣味をさらけ出して喋るようになったのは、ここ3年ぐらいですかね。
――リング上でもリング外でも、レスラーの方が「自分はどういう人間なのか」を見せてくれた瞬間に、我々観客はぐっときて心をつかまれるのではないかなと思います。
デスペラード はい、試合ももちろん大事ですけど、人となりがわかると「こいつ推せる!」ってなるんだと思います。
――まさにデスペラード選手の試合の素晴らしさと共に、コメントなどから人となりを受け取って、我々はファンになったのだと思います。デスペラード選手の試合、お作りになる流れを、これからも楽しみにしております。
デスペラード ありがとうございます。がんばりますので、楽しみにしていてください。
その1「『ジャングルの王者ターちゃん♡』の空気を感じた、あるレスラーとは?」はこちらから。
その2「徳弘作品の主人公は、超人なのに自分の力ではどうにもできないことで悩んでいる」はこちらから。
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取材・文 門倉紫麻