夏はむくみやすい条件がそろっている
連日30度を超える異常な暑さが続き、体調を崩し気味の人も多いのではないだろうか。熱中症を防ぐためにも、我慢せずに冷房を適度に利用すること、しっかりと水分を摂ることが重要だ。
一方で、暑いからといって一日中冷房の効いた室内にいたり、冷たい飲み物をガブ飲みしていると、ますます体調が悪くなってしまうこともある。石原氏はその原因は夏冷えによる「むくみ」であると語る。
「夏は暑くて汗をかくし、血流も代謝もいいからむくまないと思っている人が多いです。しかし、朝起きると顔がパンパン、夕方になると脚がパンパンということも! 実は、夏場のむくみに悩む人は結構多いんです。
人間の体は、動脈から流れてきた血液の水分が細胞にしみだして、細胞へ栄養を行きわたらせた後、静脈やリンパ管に水分が吸収されて戻っていきます。しかし、体のめぐり=静脈やリンパ管の流れが悪いと水分が吸収されずに細胞に水分が溜まってしまい、むくんでしまうのです」
体のめぐりを悪くする3つの要因が、「冷え」「水分の摂りすぎ」「運動不足」。石原氏は「夏はこの3条件が揃いやすい」と指摘する。
「まず、猛暑のせいで冷房の温度を低めに設定することで、体が冷えて静脈やリンパのめぐりが悪くなります。また、涼しい屋内にいるにもかかわらず冷たい飲み物をたくさん摂っていると、体が冷えるうえに水分を吸収しきれず、溜めてしまうことも。さらに、夏場は屋外での運動を避けがちですが、筋肉はリンパや毛細血管のポンプの役割を果たしているので、筋肉を動かさないとポンプの役割が弱くなり、体液循環が低下してしまいます」(石原氏)
女性の場合は、さらに生理によるむくみもある。
「排卵後から生理前までの時期は、妊娠に備えた身体をつくる役割がある女性ホルモン、プロゲステロンの分泌量が増えることで、体内に栄養や水分がため込まれ、むくみやすくなります。しかも、生理が重い人は体を動かすのもツラいですから、横になっているとますます体のめぐりが悪くなってしまいます。ただでさえむくみやすい夏場の生理中は、最悪の体調になってしまう方もいるほどです」(石原氏)