正直なところ、同性婚って大変ですか?

──最近、同性婚について議論が交わされることが多くなりましたが、みっつんさんがご結婚された2011年は、話題にも上がらない状況だったのではないかと思います。当時、直面された日本での同性婚の難しさについてお話を伺えますか?

よく「大変でしたか?」と聞かれるんですが、そもそも僕たちは日本で同性婚をできていないので、大変さに直面していません。

同性パートナーとの結婚、代理母出産…「ふたりぱぱ」の子育て事情_1

悪戦苦闘するより前に「できません」と答えを出されて、2011年に日本を出てしまいました。それはパートナーのリカの仕事が海外にあったこと、彼の出生地であるスウェーデンは同性婚に対する理解が進んでいて、スウェーデンの法律で結婚することができるなど、運が良かったんですよね。

イギリスに移住する際も、同性婚が認められていることで僕のビザを取るのも楽でしたし、特に問題ありませんでした。僕自身、あまり結婚という形に固執していなかったのですが、そうした“生きやすくなる”意味で結婚という「公共制度」の便利さを実感しました。この権利を、平等に受けられないのは辛いです。

むしろ今回、日本に帰省する方がよっぽど大変でした。夫のビザが必要だったのに、日本の法律では結婚していないのでビザがおりなかったんです。

──家族で帰省したいだけなのに、スウェーデンと日本の法律が異なることでそんな障がいが発生するんですか。

びっくりですよね。だけど、ビザを申請している途中で法案が変わったんです。

コロナの水際対策で、外国籍の人は入国のためのビザが必要でしたが、それまでも日本人の配偶者であれば90日間までの滞在ビザがおりていました。ただ、僕らの場合は日本での結婚を認められず、未だに僕は実家の戸籍に入っている独身扱いなので、日本で結婚をしていると証明できるものがありません。