「共用部に私物を置くのは禁止」だから、置き配も禁止!?

コロナ以降、宅配便やフードデリバリーを受け取る際も対面を避け、宅配ボックスを活用したり、玄関前に置いてもらった荷物を後で家に運び入れる「置き配」をしている人も多いだろう。しかし、この「置き配」が「管理規約違反だからと管理組合に禁止された」と話すのは神奈川県在住のBさんだ。
 
「『共用部に私物を置くのは管理規約で禁止されているから』という理由なのですが、長時間荷物を放置しているわけではなくて、感染対策のために対面を避けて置き配にしているだけ。配達員さんやフードデリバリーのスタッフが荷物を置いてくださったのを確認したらすぐにドアを開けて受け取っている人がほとんどなのに……」(Bさん)

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ルールとはいえ、このご時世なのにあまりに四角四面な対応なのではという気がするが……。前出の土屋氏は以下のように指摘する。

「共用部に私物を置くことは基本的にどの集合住宅でも禁止されています。景観の問題もありますが、最も大きな理由は災害時の避難経路を確保するためです。自転車のような大きな私物を置いておくことで避難の妨げになっては困りますよね。

だからといって、避難経路の妨げになるとは考えづらいフードデリバリーのような小さな荷物、そして短時間の置き配を禁止するのは本来の目的から逸脱していると言わざるをえません。

ましてや感染対策のためにしていることです。ルールの遵守は大事ですが、管理組合の本来の目的は、住人が安全、快適に暮らせる環境を維持管理することです。何のためのルール、規約なのかを考えて、時には柔軟に対応することも大事なはずなんですけどね」