新大久保ナンバー1おしゃれカフェといえば
とびきりおしゃれなカフェをちらほらと見るようになったのも、近ごろの新大久保の変化だろう。
「インテリアに力を入れた、個人経営のカフェが増えていますね」
「BAM BI COFFEE」の店長、ジョン・ウォンジョンさん(33)は言う。2022年3月にオープンしたばかりだが、洗練された内装がインスタグラムで話題を呼んでいる。店名の「BAM BI」はもちろん小鹿のことではなく、「韓国語で〝夜と雨〟を意味しているんです」と、ジョンさん。
だから店内には雨の月夜を描いたポスターが貼られていたり、ロゴにも傘があしらわれたりしている。どこを切り取っても絵になる店のデザインなのだ。こうしたコンセプトのある個人のカフェが、韓国ではブームなのだとか。それが新大久保にも伝わってきているようだ。
そしてシグネチャー・メニューはインジョルミ・パンケーキ。韓国伝統のきなこ餅「インジョルミ」をベースにしていて、とろふわもっちりの食感が楽しい。ビンス(かき氷)も人気で、「バムビビンス」はたっぷりの杏(あんず)と栗、北海道産のあずきと黒ごまアイスが乗っている。
「インジョルミのパウダーと、ひまわりとカボチャの種とアーモンド、それにヌルンジ(おこげのせんべい)をトッピングして食べてください」
と優しい笑顔で説明してくれるジョンさんはもともと、ワーキングホリデーで日本に来たそうだ。そして言葉を覚え、日本にも慣れ、新大久保の人気店の店長を任されるようにもなった。ジョンさんのように、留学やワーキングホリデーをきっかけに日本に親しみ、社会人となっていく韓国人も新大久保には多い。彼ら若い世代が流行を発信していくのも、いまの新大久保の姿だろう。