第4位:『ビッグ・バグズ・パニック』(2009年)
続いてご紹介したいのは、『ビッグ・バグズ・パニック』(2009年)。「町に巨大昆虫の群れが襲来し、文明社会は壊滅状態に。いつもヘラヘラしてばかりのダメ男クーパーは、数名の生存者らと力を合わせ、事態の打開に乗り出す」、やはり軽めのノリのモンスター・パニック映画だ。
しかし、この映画、詳細は伏せるが後半における怒涛の伏線回収っぷりが心地良く、個人的にはメッチャクチャに評価の高い作品だ。「ふざけてばかりで物事を真剣に捉えられない軟弱者の主人公が、自分の課題・周囲の環境・そして父親と真剣に向き合い、自立する」一人の青年の成長物語としても、意外とキャラクター描写が緻密で唸らされる。
映像面、特に巨大昆虫の3Dモデルのチャチさは否めないが、コメディタッチの作風とはむしろ噛み合っており、個人的には不満を感じていない。
「いかにも低予算映画然とした絵面と、一部勢い重視のハイテンポな構成に、抵抗を覚える方がいらっしゃるかも」との思いから、一応今回オススメ順位は4位に設定している。
しかし、こと終盤の展開のカタルシスにおいては今回紹介する5本の中でもずば抜けているため、モンパニ好きならば必見の作品である。