「子どもにとってゲスト枠だった」
――たしかに“子どもと触れ合ってるつもり”でも、子どもたちから見たら「そうではない」という可能性もありますもんね。
実際、今の働き方をするまでは、子どもたちからしたら、僕はゲスト枠だったと思うんです。
――ゲスト枠…どういうことでしょう?
テレビでゲストが来ると、テンションが上がるシチュエーションってあるじゃないですか。子どもたちにとっての僕はまさにそうで、僕にテンション高めに接してくれていたのは、僕がレアキャラやったから。
過ごす時間が増えて、レギュラー枠になって、子どもたちのテンションの上がり方が落ち着いたときに、そう思いました。
――家で過ごす時間が増えたからこそ、ゲスト枠だったと気づけたんですね。
そうそう。これはある程度休みをもらわなかったら、気づけなかったでしょうね。実際、世の中のお父さんの中には、自分がゲスト枠なことに気づけていない人も多いと思います。
それに当時はそうは思ってませんでしたけど、無意識的にゲスト的な立ち位置を取っていたのかもなとも思いました。
――それは、なぜですか?
今思い返せば、ちゃんと叱ってあげることができていなかったんです。
一緒に過ごす時間が増えて、僕がちゃんと叱れるようになった当初「え? そういうかんじでしたっけ?」みたいな空気になりましたから(笑)。
――ゲスト枠からレギュラー枠に定着したんですね。レギュラー枠になってよかったことはありますか?
レギュラー枠になる前は、奥さんが子どもたちを叱る役割をしていました。でも、僕が注意できるようになったことで、奥さんが子どもたちを守る側の役割をできるようになりました。そうすることで、奥さんが優しい顔でいられる環境が築けた気がするんです。
それはよかったかなと思います。
――なるほど!
やっぱり子育てや家事の面で奥さんをサポートするのはもちろんですが、奥さんが笑顔でいることが子供たちにとっても僕にとっても楽しいし、幸せなんですよね。
これからも、そういう機会を増やせたらなと思います。
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取材・文/於ありさ
撮影/杉山慶伍