第2位:『ロスト・バケーション』(2016年)
日本国内での公開時には、“『ジョーズ』以来のA級サメ映画”なんて謳い文句で推されていた、なかなか強気のサメ映画。しかしながらそのキャッチコピーに嘘偽りは一切なく、一本の映像作品としてのクオリティーでは、実際『ジョーズ』(1975年)に匹敵する、トップクラスの完成度を誇っている。
ストーリーは「秘密のビーチで人食いザメに襲われたヒロインが、近くの小さな岩礁に避難し、ここから生き残るべくあの手この手で奮闘する」というもの。序盤に張り巡らされた伏線の数々を、中盤以降に納得の行く形で一気に回収する手腕や、限られたごく僅かな手持ちの道具を活かして、ヒロインがサメに立ち向かう脚本構成が秀逸。
単に完成度が高いだけでなく、エンタメ的な盛り上がりも上々であり、特にクライマックスにおけるサメとの一騎打ちでは状況が二転三転するため、ハラハラドキドキが止まらない。個人的には、絶対にオススメしておきたいサメ映画のうちのひとつだ。