TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』開始にあたって
――TBSラジオで始まる朝の番組『パンサー向井の#ふらっと』についてなんですが、週4曜日を担当しながら、今までやってきたほかのラジオ番組もやるわけで。すごく大変なことなのかなと思うんですけど。
もちろん大変なことは自覚しています。今までやってきた仕事にプラスして、すべての力を注ぎこまないといけないくらいの大きな番組なので、楽ではないとは思います。
でも、先輩の麒麟の川島(明)さんや、極楽(とんぼ)の加藤(浩次)さんが、朝の帯番組をやりながら、それでも仕事をガンガンにやってる姿を見ているし、これくらいで「俺できないわ」っていうのは言えないなあっていうのもありますね。
――そのラジオもたくさん番組があるので、それぞれ見せる面が違うっていうこともありそうですよね。
そうですね。『#むかいの喋り方』(CBCラジオ)は、もう本当に自分のことをしゃべる番組で、『パンサー向井のチャリで30分』(ニッポン放送)は、ゲストを招いて、その人の魅力を引き出すというか、まだ質問されてないことを質問したいなと思ってて。『又吉・児玉・向井のあとは寝るだけの時間』(NHKラジオ第1放送)は、エピソードトークをする場じゃなくって、共演者としゃべってる中で生まれる面白さやノリみたいなものを楽しむ番組で、『向井と裏方』(AuDee)は、本当にラジオを作ってる裏方さんの話を聞くって感じです。
この四つの要素が全部入っているのが、これから始まる『パンサー向井の#ふらっと』だと思ってるんですよね。自分の話もするし、各曜日のパートナーとふたりで作り上げるノリもできるだろうし、ゲストが来たときはその人の話を聞くで、たぶん、これまでの集大成に近いラジオになるんじゃないかって思ってます。
――『パンサー向井の#ふらっと』は朝4日間あるので、それだけフリートークも量が増えると思いますが。
『#むかいの喋り方』でその週に話したのと同じ話はもちろんしたくないので、さらにアンテナを広げる必要はあると思います。もちろん朝の番組だとどぎつい話とか、自分の反省とかをしゃべることは向かないと思うんですよ。そういうのは『#むかいの喋り方』で話していけばいいですしね。
――このインタビューは、『パンサー向井の#ふらっと』スタートの直前に行っていますが、現時点での心境はいかがですか?
正直、直前なので、気持ちがころころ変わってます。「楽しみだな」って気持ちはもちろんめっちゃあるし、「本当にできんのかな」っていうのもあるし。だから準備ってものはしようがないんですよね。本番で何が起こるのかもわかんないし、その瞬間に起こってることを大事にしたい番組だったりもするので、用意するということが難しいんですよね。
その分、なんかこう…長年かけてきたものを引き出すことになるんでしょうね。背伸びもできないし、結局、身の丈でしか日々のラジオはできないと思うので。それを大きくする努力も必要なんですけど、大きく見せすぎないほうがいいのかなと思ってますね。
――毎日、しゃべることで、ペースができて気持ちが安定するものなのか、それとも慣れるまでは苦労するのか…
どっちもあるかもしれないですね。思いを吐き出す場所でもあるので、精神衛生上、ラジオがあるほうがいいときもあるかもしれない。
それでリスナーが聞いてくれて共感してくれたり、逆に「そうじゃないよ」って言う人がいたりすると、自分にとっても昇華できるきっかけになるのでいいと思うし。
逆にラジオという、いろんなことを拾い上げる場所があるからこそ、必要以上に何かが気になったり、ラジオをやってなかったら、イライラすることもあるかもしれません。
――というのも、少し前の『#むかいのしゃべり方』で、向井さんがちょっと落ち込んでいる感じが出ていたので。
ありましたありました。モロに出ると思いますね。ラジオって、そういうバイオリズムとか、テンションに嘘をつけないメディアなので。やっぱり今回、朝のラジオをやるにあたって、「頑張れ」という声をたくさんいただく半面、そうでない声もないではないんです。そういうのを全部、受けて止めていると精神的に食らってしまうこともあります。
もちろんラジオを聴く人を増やしたいという思いはありますが、一方で伝統を受け止め過ぎちゃうと自分がもたないので、重みもちゃんとわかったうえで、「所詮、一ラジオ番組である」ということもどこかで思っていかないと、バランスとれないと思うんですよね。