責任を問われるのは政治だけじゃない。判を押した側もだ
そして、問われるのは政治だけではない。融資や出資を決めた側にも説明責任がある。
第一に、審査である。結果として採算の目安の3分の2にとどまった事業に、公庫を含む金融機関は融資を決めた。もちろん、結果だけを見て当時の審査が誤りだったと断定することはできない。だが、当初どのような需要予測を立て、どのようなリスクを想定して融資を決めたのかは検証されるべきだろう。
投資判断については、クールジャパン機構は2022年、刀への出資を発表した資料で、刀が「精度の高い需要予測モデル」を持ち、手がけた案件を高い確率で成功に導いてきたと評価していた。
しかし、初年度の来場者数は採算の目安とされた数字を下回った。機構は何を根拠に80億円の出資を決めたのか。そして現在、その投資判断をどう評価しているのか。
第二に、追加融資である。報道によれば、4月に一緒に貸した民間銀行が加わらない中で、公庫が単独で新たに30億円を出す方向で最終調整しているという。政策金融による「民業補完」というのであれば、なぜ今、公庫だけが追加融資する必要があるのか。その理由は説明されるべきだ。
第三に、出口がない。30億円は資金繰りを維持するための「つなぎ融資」と報じられている。何につなぐのか。どうなれば経営が安定するのか。逆に、どのような状態になれば追加支援をやめるのか。少なくとも現時点で、国民にその全体像が十分説明されているとは言いがたい。
第四に、責任の所在が見えない。クールジャパン機構が約540億円の累積損失を抱え、ジャングリア運営会社の親会社が173億円の最終赤字を計上したという結果を踏まえれば、過去の投資・融資判断について検証する必要がある。
森岡氏の計画が結果として当初想定を下回ったのなら、その計画に公的資金を付けた判断は、いったいどう評価されるべきなのか。どの機関が、どのような事業計画や需要予測に基づいて公的資金を投じたのか。
個々の融資や出資の決裁者まで外部から確認することは難しい。だからこそ、政府系機関は判断の根拠と経緯を、可能な限り国民に説明する必要があるのではないか。













