撮影費20万円も…“映える七五三”に高まる親たちの熱

一方で、外部カメラマンを制限する神社ばかりではない。都内のある神社の神主は、七五三の予約を1日1組に限定したうえで、「参拝者が少ないからこそ、出張カメラマンの同行や柔軟な撮影に対応しています」と語った。

実際に、出張サービスが利用される代表的な機会の一つになっている。

今年5月、3歳になる娘の七五三の前撮りを行ったアイカさん(仮名・28)は、SNSで見つけたカメラマンのモニターに応募し、撮影場所には、いわゆる“インスタ映え”を意識した寺院を選んだという。

「カメラマンとは事前に打ち合わせがあり、『周囲に迷惑をかけた場合は撮影中止』『完成した写真へのクレームは受け付けない』など、30項目ほどの注意事項がありました。

カメラマンだけで10万円ほど、メイクや着物を含めると全部で20万円くらいです。七五三は時間をかけて準備するので、やっぱり気合いは入りますね。1年くらい前から用意するママ友もいます」

神社での七五三撮影のイメージ(写真/Shutterstock)
神社での七五三撮影のイメージ(写真/Shutterstock)

ただ、事前に準備を重ねても、撮影当日は予定通りにはいかなかったようだ。

「子どもが着物を嫌がってぐずったこともあり、準備に1時間、撮影に1時間半ほどかかりました。『着物を着た子どもと一緒に撮りたい』と外国人観光客が集まってくることもあり、人見知りの子だと大変だと思います」

アイカさんは、周囲への配慮からも「カメラマン選びが大事」と話す。当日は、同行したスタイリストが子どもをあやし、撮影場所への誘導も行われたという。

カメラマン歴7年の30歳男性は、「一般の参拝者を優先することは当たり前」としたうえで、近年は撮影の要望にも変化があると話す。

「最近は写真だけではなく、いわゆる『メイキング動画』も一緒に撮ってほしいという要望が増えています。結婚式などでよくあるようなものですね。

僕らも参拝されている方がいる中で撮影しているので、周りにはかなり気を使います。撮影しているだけで、あからさまに嫌な顔をされたり、『なんやこいつら』みたいなことを言われたりすることもありますが、ルールを守って撮影していれば、そこからトラブルになることはほとんどありません」

プロのカメラマンに依頼するケースが増えているという(写真/Shutterstock)
プロのカメラマンに依頼するケースが増えているという(写真/Shutterstock)
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一方、カメラマン歴30年以上の50代男性は、SNSやママ友同士の張り合いが、撮影への要求を高めていると指摘する。

「ママ友のコミュニティの中での、ライバル心みたいなものが影響しているのか、よその子の写真を見せられたときに、『うちの子はもっとかわいく撮りたい』となって、要求が過剰になってしまう傾向があります。

昔はきれいに撮れば『ありがとうございます』で終わっていたのが、今は『なんでこの角度なんですか』『もっとキラキラした感じにならないんですか』と言われることが増えました。

加工アプリなどできれいな写真を見慣れていることも、求める写真のハードルを上げているのかもしれません。子どもの数が少ない分、節目の行事も大がかりになっているように感じます」

子を持つ親にとって、特別な晴れ舞台である七五三。華やかな思い出を残すことに夢中になるあまり、参拝の場への配慮を忘れてはならない。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班