「妻が一番落ち込んでいる」

――ケガが非常に少なかった石川投手。しかし、今年3月4日、JR九州との実戦初登板で左内腹斜筋の肉離れを起こしてしまいました。

あの瞬間は自分にすごくガッカリしました。そこから自分のプランと現実のギャップを最後まで埋められないという1年になってしまい……。

――石川投手はケガをしない秘訣について、「アスリートは常にどこかしら痛いけど、敏感になってケガを防ぐ時と、鈍感になってでもファイティングポーズをとる時がある」とおっしゃっていました。

そうですね。それまでは敏感と鈍感の綱渡りをうまく渡れていたはずなのに、3月の登板では敏感にならなきゃいけないところで鈍感になってしまった。

正直、投げる前から違和感はあったんです。でも(今季キャンプから)2軍スタートなのもあって、今季初登板でなんとしても結果がほしかった。いい年こいて焦ってたのもあるかもしれません。そういう意味ではプロじゃなかったと思います。

現役を長く続けるために常に試行錯誤。「何かの役に立てばとナックルもすごく練習しましたが、ブルペンでもなかなかストライクに入れられなくて実戦で試すことはできませんでした。でも挑戦できたことはすごくいい経験でしたね」
現役を長く続けるために常に試行錯誤。「何かの役に立てばとナックルもすごく練習しましたが、ブルペンでもなかなかストライクに入れられなくて実戦で試すことはできませんでした。でも挑戦できたことはすごくいい経験でしたね」

――「野球が大好き」が口グセですが、競技人生を振り返って野球が嫌いになりそうだった瞬間はありますか?

めちゃめちゃありますよ。スポーツ選手って自分に期待しなくちゃいけないんですけど、その期待に自分自身、何度も裏切られてきましたから。

それは小さい頃から何度もあったわけですが、だからといって大好きな野球を辞めるという選択に踏み切る勇気を僕は持てなかった。辞める勇気があるなら練習とかもっとやれることがあるだろうと。

――今まで下せなかった決断がついにここで……。引退を報告したときのご家族の反応は?

引退に関しては、妻が一番落ち込んでいるかもしれません。大学時代からお付き合いをしてきて、ずっと野球をしている僕を見ていただけに受け入れられないというか、心に空いた穴は僕よりももしかしたら大きいのかもしれません。

子供たちに対して夏休みに遊んであげることもできず、そのあたりはすべて妻がやってくれました。家族、妻には本当に感謝しています。これまでは家族が僕の一番の応援団だったので、これからは僕が家族の一番の応援団になります。