「家族だから話しづらい」場合は?

夫婦間の性的同意をめぐる課題の背景には、文化的な要因があるのではないかと岡田氏は指摘する。

「欧米では、国によっては学校などですごく丁寧に性教育を行なっています。これは包括的性教育と呼ばれるもので、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が推奨しています。たとえばオランダでは、性的発達は出生時から始まるとして、身体の中の大切な部分について、日常生活の中で早ければ0歳ごろから年齢に応じた性や人間関係について丁寧に教えます。そういうことを幼い頃から少しずつやっていく延長線上に、相手と自分の一つのコミュニケーションとして、性行為というものが位置づけられています」

日本にもかつては「若者組」や「娘組」といった慣習があり、地域によっては、そうした場を介して男女が交際し、性や婚姻について学んでいく側面もあったが、今では廃れてしまった。

夫婦間ですれ違いを生まないために不可欠なのは、丁寧なコミュニケーションだ。しかしそうは言っても、「家族だから逆に話しづらい」という人もいるだろう。その場合は第三者に介入してもらうのも一つの方法だと岡田氏は話す。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)
すべての画像を見る

「2人で一緒に出掛ける、話し合う時間を増やすなど、夫婦の関係性自体を豊かにするようなことから徐々に実践していくことが大切だと思います。ただ、その時点でもううまくいかないのであれば、一例として『カップルカウンセリング』など、第三者の専門家に介入してもらうことも考えられるのではないかと思います。

また、最近では『Tシャツが乾くまで』などのドラマが大きな反響を呼びましたが、こうしたドラマや映画などをパートナーと一緒に観ることで、夫婦間で話すきっかけを作るのもいいのではないでしょうか」

仕事や家事、育児などに追われる現代の夫婦にとって、「2人の時間」をつくることは簡単ではないかもしれない。それでも、時間をかけて丁寧に対話を重ねることが、夫婦のすれ違いをほどくきっかけになるのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班