「女として見られる」嫌悪感と、それでも好きなアダルトの世界

──この仕事をしていると、「女として見られる」機会も多いと思います。そのことへの嫌悪感はありますか?

うーん……。うっすらと嫌悪感みたいなのを抱えていないと、この仕事はできないんじゃないですかね。セクシー女優だけじゃなくて、夜のお仕事をされてる方とかも多分そうだと思うんですけど。

──それを表に出さないようにするのも難しくないですか?

でも、出して良いことなんてないじゃないですか。だから出さない、っていう。それだけです。

「女として見られる」ことへの嫌悪感から、恋愛関係がうまくいかなかった過去も明かした
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──そうした葛藤を抱えながらも、作品づくり自体にはかなり積極的だった印象があります。出演作にはゾンビものなど一風変わった企画も多かったですよね。

そうかもしれないです。デビューしたときから、王道の作品はもちろん、それ以外にも「私ならでは」の作品を作れたらって思っていました。それで、ゾンビやらなんやら、山あり谷ありいろいろあって。「これは私じゃないとできなかったんじゃないかな」と思える作品は何本もありましたね。

SOD(ソフト・オン・デマンド)って本当に変な会社で(笑)。私、「セーラー服を着たい」って言ったことがあるんですよ。そしたら、なぜかゾンビものの作品で制服を着ることになって(笑)。でも、それがSODなんですよ。そういうところが好きで入ったので。

――引退後も、アダルト業界には関わり続けたいですか?

はい。この業界が嫌いになったから辞めるわけじゃないし、それどころか業界が好きだし、エロも好きなので。SODにもすごくお世話になったし、たくさん支えてもらいました。返しきれない恩もある。だから今後も、何か関われることがあるならやりたいね、という話はしています。

――今回、小説が出るタイミングと引退が重なっていますが、「小説家に転身するから引退する」ということではない?

それ、結構言われるんですけど、全然関係ないです(笑)。でも、このタイミングでよかったと思います。引退したあとも、エッセイとかコラムは書きたいし、もう一冊小説も出したいなとも思ってます。

「『エロくない』と思われるのが一番怖い」MINAMOが引退を決めたワケ…「セクシー女優が恥ずかしい仕事だとは一切思っていません」_6
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取材・文/キムラ 撮影/杉山慶伍

母の泥舟
MINAMO
母の泥舟
2026年09月14日
1980円(税込)
四六判
ISBN: 9784041166895
セクシー女優の新境地。圧倒的な筆力で描ききる、半自伝的小説。
常に不機嫌な父、不安定になる母、壊れていく家庭。
“普通の家族”を求めるほど、少女は「母を救わなければ」という思いに囚われていく。
父の機嫌を読み、母を傷つけないように振る舞い、いつしか自分の人生よりも“母を幸せにすること”が生きる目的になっていた。

大人になっても心の奥には埋まらない空白が残る。
なぜ私は、母を救えないのか。
その答えを探すなかで主人公が辿り着いたのは、母にもまた「救えなかった母」がいたという事実だった――。

祖母、母、娘。
三代にわたって連鎖する愛情と支配、祈りと絶望。
近づきたいのに傷つけ合ってしまう“母と娘”という逃れられない関係を、痛みと優しさをもって描く、2026年内をもってセクシー女優引退を表明したMINAMOが、初めて挑んだ半自伝的小説。
愛されたかったすべての人へ贈る一冊。
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