「この小説の中のお母さんはちょっと完成されすぎてるんちゃう?」
──これまでエッセイを書かれてきた印象が強かったので、今回は小説ということで驚きました。そもそも、小説を書こうと思ったきっかけから教えてください。
MINAMO(以下同) 出版社さんからお話をいただきました。小説はいつか書きたいなっていうのが、デビュー前からの目標だったんです。まさかこんなに早く叶ってしまうとは……。エッセイは書いたことがあるけど、小説となると全然違うし、すごく悩みました。
でも、担当の編集さんが私のエッセイを読んで、「このエッセイを書く人が物語を書いたらどうなるのか見てみたい」って言ってくださったんです。それがすごくうれしくて。「じゃあ書いてみよう」と決意しました。
──エッセイと、小説では何が一番違いましたか?
もう何から何まで、まったく違いましたね。
エッセイの場合は、まず自分の書きたいことをまとめて、それを削ったり足したりして、最後に文章をきれいに整えて……みたいな感じだったんですけど、小説となると、最初にプロットをしっかり考えないと途中で進みが悪くなっちゃう。
なのでまず、母、父、妹、おばあちゃん、それぞれに対して私が抱いている印象や、実際にあった出来事を書き出してから、本人たちにも取材しました。
──実際にご家族から話を聞きながら書いたんですね。
はい。絶縁しているおばあちゃんにはできなかったんですけど、母、父、妹には。「あのとき、なぜあんな行動をしたのか」「どういう気持ちだったのか」みたいなことを聞いていって、それを材料に文章を書いて、また取材して、また書き足して……というのを繰り返しました。週2ぐらいで誰かしらに電話してましたね。
──家族の深い部分について書くことへの抵抗はありませんでしたか?
めちゃくちゃありました。最初は本当に筆が乗らなくて……。家族のことだから、どこまで書いていいのかわからないし、でも書き進めなきゃいけないし。それで母に相談したら、いろいろダメ出しをもらって(笑)。
最初は、母が家族のいざこざをなんとかする、みたいなストーリーで考えていたんですよ。でも母から、「お母さんも一人の人間やし、この小説の中のお母さんはちょっと完成されすぎてるんちゃう?」って言われて。
あとは「ここはちょっと情景が足りない」とか、技術的なアドバイスももらいました。母も編集者みたいな感じでしたね(笑)。













