shelaの25周年記念ライブでアクシデント
2000年代のJ-POPシーンを鮮やかに彩った歌姫・shela。デビュー25周年記念のライブでは、ツアー初日の東京公演は即日ソールドアウト。根強いファンがいることを証明した。
しかしその直後、再始動に影を落とす予期せぬトラブルが彼女を襲う。名古屋公演の間際、ライブ運営の担当者と連絡が途絶え、スタッフが一人も現れないアクシデントに直面したのだ。
「とにかくパニックで頭がどうにかなりそうでした。思い出すだけで苦しくなるほど、精神的に極限まで追い詰められていました」
現在、shelaが身を置く所属事務所はない。本来なら歌手の領分ではない交渉やライブのための準備を一人で抱え込むことになり、中止時の多額の払い戻しへの恐怖に押しつぶされそうになったと明かす。
「理性が飛ぶぐらいパニックで、もう本当に何からしていいのか、どうしたらいいのか。誰を信じたらいいのかわからないといった感じでした。まさに絶望という感じで」
そもそも、彼女の歌手活動は決して平坦なものではない。その大半は、歌の世界から完全に離れた「ブランク」の期間だった。子どもの誕生を機に、彼女は札幌からも遠く離れた北海道の田舎町へと身を寄せ、一人の母親としてひたむきに子育てに専念してきた。それゆえに歌い手としての自信を当時のようには持てずにいた。
「昔の歌を歌って私は声が出るの? 現役時代もライブを頻繁にやっていたわけではないので、ステージに立つこと自体できるのか、私の歌を喜んでもらえるのか、不安でした」
フリーランスの彼女にはもちろん、ボイストレーナーもついておらず、事務所のスタジオもない。
地元のカラオケ店には自分の曲がなく、車で片道40分かけて札幌市内のカラオケ店まで通うしか練習する術はなかった。そんな不完全な環境で葛藤を抱えながら覚悟を固めた矢先、運営陣の「蒸発」という残酷な現実に直面したのだ。












