「海兵隊員が壁をこじ開けた」「地元の警察官が木製のバールを持って…」

星条旗新聞などによると、救出活動に当たったのは、米海兵隊基地「キャンプ・ハンセン」に所属するカリフォルニア州出身の25歳の海兵隊員。

同基地に拠点を置く「第3海兵遠征軍」傘下の情報部隊「第3海兵遠征軍情報グループ」の戦闘工兵だとされる。ガールフレンドと一緒に歩いて帰宅しているところ火事に遭遇したという。

隊員は、建物内に人の気配があるのを察知し、現場を通りかかった人らとともに窓からの侵入を試みたものの「煙と熱に阻まれて」断念。救助のために「壁をはがすことにした」などと証言している。インタビューで、当時の心境を「自分が逆の立場なら、他の人にどうしてほしいかを考えた結果だ」と明かし、「行動を起こしなさい。傍観者であってはならない」と呼び掛けている。

米軍当局の発表に準じるDVIDSはこの救助活動について、「戦闘工兵は、主要な進入路が利用できない場合に、突破作戦を実施し、代替の進入地点を特定する訓練を受けている」として、隊員が救助のために壁の「突破」をこころみた背景に軍隊内での「経験と訓練」が生かされたとも指摘している。

ただ、「壁をこじ開けた」という救助活動の詳細については、一方の星条旗新聞では「地元の警察官が木製のバールを持ってきて、壁をはがし始めた」という隊員の証言を報じており、救助活動の証言については米軍当局側と機関紙「星条旗新聞」側とで微妙な食い違いもある。

米軍の準機関紙「星条旗新聞」フェイスブックより
米軍の準機関紙「星条旗新聞」フェイスブックより

事件・事故の報道では、情報が錯綜するケースも少なくないため、更新された情報が古い情報の内容と違ってきたりするのはままあることである。今回のような、米兵の救助活動を巡る報道では、この「食い違い」を巡って大騒動に発展したケースもある。

「2017年12月に沖縄自動車道で発生した自動車事故で一時重体となった海兵隊員が行なったとされる救護活動を取り上げた産経新聞がその後、記事の内容が誤りだったとしてお詫びと記事の削除に追い込まれた一件です。

産経側は隊員の妻のFacebook投稿や米NBCテレビの報道を引用して『隊員が事故に際して救護活動をした』などと報じましたが、その後、県警や米軍側がその事実関係を否定しました。この一件で産経側は記事の取り消しとお詫びのほか、記者の処分に踏み切らざるを得ない状況に追い込まれたのです」(大手紙社会部デスク)

逮捕された米国人の男が有罪となれば、火事を起こした同胞の不始末を米兵が処理した、という構図にもなる今回の事件。在日米軍基地が集中する「基地の島」ならではの事件ともいえそうだ。

〈沖縄ホテル放火〉「禁煙場所で喫煙を繰り返し…」火をつけた米国人を逮捕…現場では25歳米海兵隊員が炎の中に飛び込み決死の救助_5
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班