息子と呼べる存在がいるのはうれしい

石崎さんが父親になって2年が過ぎた。「今もまだパパ感はない」と話すが、自分が子どものころに経験したことを反面教師にしながら、息子と向き合っているという。

「息子は私の仕事に憧れているみたいで、IT系の専門学校に通い始めたんですよ。血のつながりがないとはいえ、息子と呼べる存在がいるのはうれしいですね。向こうの家族と断絶したから、こっちの家族がさらに大事になったというのもあるかもしれない」

最後に「今は毎日が楽しいですか?」と聞いてみたら、やわらかな表情でこう答えた。

「転職して社内で評価されるようになってきたのもあって、気持ちの波が少しずつ小さくなってきました。前は冬の日本海みたいに荒れていたから(笑)」

厳しい教義のもとで育ち、不登校、ひきこもりを経験しながら、自分の人生を見つけた石崎智展さん(写真/集英社オンライン)
厳しい教義のもとで育ち、不登校、ひきこもりを経験しながら、自分の人生を見つけた石崎智展さん(写真/集英社オンライン)
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「今は穏やかな瀬戸内海ぐらい?」と聞くと、「そこまでではないですね。昨日も、ゲームを買い過ぎちゃったことで嫁さんと大喧嘩。落ち込み気味だったから今日ちゃんと話せるか不安だったんですよ」と打ち明ける。

「完全な、かかあ天下だから」と言って照れ笑いする石崎さんは、とても幸せそうだった。

<前編を読む『〈「皆さん、さようなら」SNSに残して失踪〉小4から不登校も“大手IT企業”に就職…「不登校の星」と呼ばれた宗教2世に何があった?』>

取材・文/萩原絹代