「神様助けて!」と祈ったが、誰も助けてくれない

こうして大手IT企業への就職を果たした石崎さん。だが、楽しく働けたのは、4、5年だった。勤務先が買収した会社で働くことになると、買収された側のエンジニアたちが反発し、子どもじみた嫌がらせをされたのだ。仕事に必要な情報を渡してもらえない、休むと連絡をしているのに無断欠勤だと責められる……。

「そんな状況なのに上司は守ってくれないし、むしろ『石崎が悪い』と責めてきて。まさに孤立した状態になっちゃって。それで、うつになってしまい、ひきこもったんです。

めまい、頭痛がひどくて起きられない。ほとんど話すこともできなくて、4ヵ月くらい寝たきりみたいになっちゃって。しばらくまともに動けない状況が続きました」

同僚からの嫌がらせでうつになり引きこもったという石崎智展さん(撮影/集英社オンライン)
同僚からの嫌がらせでうつになり引きこもったという石崎智展さん(撮影/集英社オンライン)

結局、1年ほど休職した末、会社を辞めた。

「そろそろ社会復帰しなきゃ」と思っているとき、宗教2世の友人に誘われ、不登校やニートを支援するNPOでパソコンを教えるようになった。

しかし、そこでのバイト代だけでは自立できなかったため、31歳のときに社員5人ほどの会社に就職した。親元を離れることはできたが、そこは“超”が付くブラック企業だった。

「私ひとりで営業、開発、外注先の手配、外注の中継ぎ役、お客様対応と5役やってたんです。法律的にグレーな仕事を振られることもあって。でも、それを断ると、お客さんから責められるし、社長からも『おまえが悪い』と言われて、守ってもらえなくて……。

そのときは宗教を信じていたので、『神様助けて!』と必死に祈りました。でも、その神さえも助けてくれない。ほかの信者も助けてくれない。逃げ道がない状態に追い詰められて、もう海に消えちゃおうかなと……」

写真はイメージです(写真/AdobeStock)
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SNSに「皆さん、さようなら」と書き込むと、石崎さんはスマホの電源を切り、失踪した――。

<後編を読む『〈「不登校だった自分、ありがとう!」〉宗教2世で失踪、うつ、ひきこもり…“道を外れまくった”48歳男性が最先端AIエンジニアになるまで』>

取材・文/萩原絹代