性的ディープフェイクの3つの手法

斉藤 性的ディープフェイクの手口は巧妙化しているようですね。

永守 ええ。現在、性的ディープフェイクには、大きく分けて以下の3つの手法が存在します。

ひとつは「ヌード化」タイプ。これは卒業アルバムや学校行事、SNSにアップされた普通の写真をもとに、服を透かしたり脱がせたりするものです。スマホで容易に生成できるため、被害がもっとも多いタイプです。

記憶に新しいところでは2025年末頃、X(旧Twitter)では、搭載された生成AI「Grok」の画像編集機能を使い、実在の人物の写真を無断でヌード化することが問題視されました。

次に「追加学習(ディフュージョン)」タイプ。特定の人物の顔をAIに集中的に学習させ、その人にそっくりな偽画像を生成するものです。そこでは、どのような画像が学習に使われたのかは外部から特定できず、ブラックボックス化しています。隠し撮りされた写真と組み合わせて悪用されるなど、非常に巧妙化しています。

そして最後が、「フェイススワップ」タイプ。既存のポルノ画像や動画の顔部分を、被害者の顔と入れ替えるタイプです。以前の「アイコラ(アイドルコラージュ)」を動画レベルで、かつ高精度に自動化した手法です。

あくまで私の観測範囲ですが、現在出回っている性的ディープフェイクのほとんどがヌード化タイプです。追加学習タイプとフェイススワップタイプは、技術的なハードルが比較的高いのだと思います。

AI技術は日進月歩。今はまだAIが生成した画像なのか、はたまたそうでない画像かは、目を凝らせばなんとか区別できると思います。しかし、さらに高精度な性的ディープフェイク画像が出回るのは、時間の問題でしょう。

斉藤 このスピード感、大人には到底追いつけません。

永守 クローズドなコミュニティ内では、盗撮画像だけでなく、性的ディープフェイクも取引の対象になっています。画像を加工する「請負型」や、コレクションへのアクセス権を売る「ファンコミュニティ型」など、ビジネスモデルが確立されています。

斉藤 まさに性的搾取の構造そのものです。

永守 加害者は「見知らぬ悪い大人」ではなく、同じクラスメイトや部活の先輩など、きわめて身近な人物というケースも少なくない。これも性的ディープフェイクの大きな特徴だと思います。