鉄道会社で進められるベビーカー対応…JRの見解は

こうした状況を受け、鉄道各社ではベビーカー利用者を想定した設備やサービスの充実を図っている。

特に多いのは、ベビーカーや車いすを利用する乗客が使いやすい「フリースペース」の設置だ。現在、多くの鉄道会社で設置が進められている。

電車内に設置が進められる「フリースペース」(写真/PhotoAC)
電車内に設置が進められる「フリースペース」(写真/PhotoAC)

さらに設備面では、京王電鉄が2000系の5号車に大型フリースペース「ひだまりスペース」を設置している。また小田急電鉄では、一部をのぞく通勤車両の3号車を「子育て応援車」とし、ステッカーなどを通じて子ども連れを温かく見守るよう呼びかけている。

こうしたなか、山手線を運行するJR東日本は、どのような対応を進めているのか。同社は、国土交通省が設置した「子育てにやさしい移動に関する協議会」に賛同し、子ども連れの利用者が安心して移動できる環境づくりを進めている。

その一環として、2014年8月から普通列車の「車いすスペース」にベビーカーマークを順次掲出。また、2015年に営業運転を開始した山手線E235系では、各車両にフリースペースを設置するなど、車両のバリアフリー化に取り組んでいる。

JR山手線(写真/PhotoAC)
JR山手線(写真/PhotoAC)

だが、フリースペースが設置されていたとしても、混雑する車内ではその場所まで移動することがままならないケースもある。

同社はホームページ(「ベビーカーの安全なご利用のために」)でも、ベビーカー利用者に対して以下のように呼びかけている。

「混雑している時間帯は、周囲の状況に注意を払い、安全に気を付けていただきますよう重ねてお願いいたします」

この記載について、同社の担当者は次のように説明した。

「『周囲の状況に注意を払い、安全にご利用いただく』とは、お客さま同士で周囲の安全に配慮し、譲り合ってご利用いただきたいという趣旨であり、当社として『空いている列車を待つ』ことや『ベビーカーを折りたたんで乗車する』ことなど具体的な行動を想定し、お願いをしているものではございません。また、当社では駅構内や列車内でベビーカーを折りたたむことをご利用の条件とはしておりません」

国土交通省による啓発ポスターにおいても、ベビーカー使用者と周囲の人に対して「お互いに思いやりの気持ちを」と訴えている。

ベビーカー利用にあたってのお願いとベビーカーマークを周知するポスター(出典/国土交通省)
ベビーカー利用にあたってのお願いとベビーカーマークを周知するポスター(出典/国土交通省)
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ベビーカー利用をめぐっては、子育て世帯が公共交通機関を利用する実情を踏まえ、安全性の確保と、ベビーカー利用者と周囲双方の理解と配慮が求められている。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班