上沼恵美子さんへの不適切発言がきっかけに
──その頃、ご自身では「アルコール依存症かもしれない」という自覚は?
全然なかったですね。飲む量が増えても「酒に強くなったな」くらいにしか思ってなかったです。
──では、そのまま依存症一直線に……?
いえ、お酒より大事なものができた時期があったんですよ。というのも、一度休止していた『M-1グランプリ』が2015年に復活したでしょう。
そのときに「これは飲んでる場合ちゃうわ」って。そこからは、お酒なんてそっちのけでした。漫才のことしか考えてなかったですね。
それから4年連続で決勝まで行けるようになって、「もっと上を目指したい」という気持ちだけで走っていました。だから、その頃は酒を飲む時間もかなり減っていましたね。
── 一度はお酒から離れられていたのですね。
ただ、その生活は長くは続きませんでした。2018年の『M-1』決勝のあと、僕が不祥事を起こしてしまったんです。
インスタグラムのライブ配信で『M-1』の審査員だった上沼恵美子さんについて不適切な発言をしてしまって……。全国どころか、世界中から2万件くらいの誹謗中傷のメッセージが来ました。DMには殺害予告まで届きました。
よくなかったのは、それらをすべて読んでしまったこと。そこから、心の状態がおかしくなったというか。
昼間は普通に仕事できるんです。でも、日が沈んで暗くなってくると、めちゃくちゃ不安になるんですよ。すごくそわそわするんです。誰かにずっと監視されているような感覚というか。
それを紛らわせるために、また大量のお酒を飲むようになっていきました。
かつては仕事がない虚無感から目をそらすために飲んでいたけど、この頃から、得体の知れない不安から逃げるために飲むって感じでした。
飲む量もペースも以前より1.5~2倍ぐらい。1時間で10杯近く飲んでいました。酔うためじゃない。早く意識をなくしたかった。
それでも酔えないんです。不安が勝つから。だから、気絶するまで飲んでいました。
──かなり危険な状態だったのですね。
一番ひどいときは、週3、4回は酔っ払ったまま風呂で寝ていました。もし浴槽が広ければ、溺れて死んでいたかもしれない。本当に危なかったですね。












