持ち帰った「焼きそば」、「冷やしキュウリ」でも食中毒が…

2019年8月、横浜市内の地域夏祭りでは、セレウス菌による食中毒と判断された。

横浜市によると、焼きそばは長時間常温で保管され、その後、余った焼きそばを持ち帰って翌日に食べた2人が嘔吐や下痢などを発症した。市は、常温保管中にセレウス菌が増殖したことが食中毒の原因になったとしている。市は、この事例について、

「夏祭りで余った焼きそばを持ち帰って、次の日に食べた人たちに嘔吐などの症状が出ました」

と注意を促している。

屋台で買った食品などもできるだけ即日、早めに消費することが原則となる(写真/PhotoAC)
屋台で買った食品などもできるだけ即日、早めに消費することが原則となる(写真/PhotoAC)

セレウス菌は熱に強い芽胞を形成するため、通常の加熱調理後も一部が生き残ることがある。調理後の食品を常温で長く置くと、生き残った菌が増殖し、毒素を作るおそれがある。

鉄板で十分に焼いた料理でも、その後の温度管理が悪ければ安全とは限らない。もったいないと感じても、常温で長く置かれた食品は持ち帰らず、早めに処分することが重要だ。

2014年7月、静岡市の安倍川花火大会では、露店で販売された冷やしキュウリを原因とする腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒が発生した。

調査で定められた症例定義に該当した人は513人。このうち、冷やしキュウリを食べ、所定の期間内に症状が確認された510人が食中毒患者と認定され、114人が入院した。販売されたのは、ヘタを取り、皮を縞状にむいたキュウリを、市販の浅漬けの素を水で薄めた液に漬け、割り箸に刺した食品だった。

夏場は加熱を必要としない食品も要注意(写真/PhotoAC)
夏場は加熱を必要としない食品も要注意(写真/PhotoAC)
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キュウリの洗浄や皮むきなどは、スライドドアを開けた車内で行われていた。調査では、調理工程の多くが屋外で行われ、手洗いや食材・器具の洗浄時に石けんや消毒剤が使用されていなかったこと、キュウリの温度管理が不適切だったことなどが確認された。

ただし、O157が原材料、調理器具、従事者、周辺環境のどこから付着したのか、具体的な汚染経路は特定されていない。キュウリ自体が常に危険という意味ではない。加熱せずに提供する食品は、調理中に菌が付着しても、最後に加熱して死滅させる工程がない。

「野菜だから安心」「冷えているから大丈夫」とは限らないのだ。

イベント会場では、料理が直射日光の下や常温で長時間並べられていないかを確認したい。冷たい食品も、保冷容器や冷蔵設備で管理されているかが判断材料になる。

厚生労働省は、残った食品について、

「ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。口に入れるのは、やめましょう」

と呼びかけている。

夏のイベントでは熱中症対策と同時に、「買ったら早めに食べる」「常温のまま持ち歩かない」「十分に加熱されたものを選ぶ」という食品の温度管理にも気を配りたい。

取材・文/集英社オンライン編集部