「青切符」で注目される、巻き込み警報カメラシステム「A-CAM3」

巻き込み警報カメラシステム「A-CAM3」は、トラック側方の死角を超広角カメラとAI映像解析で常に監視。自転車や歩行者を検知すると、「ブザーによる警告音」「インジケータの光」「モニター表示」の3つの手段でドライバーに危険を知らせる仕組みだ。運送業を中心に導入が進んでおり、近年では観光バスなどへの採用も広がっている。

「左折時の巻き込み事故は、統計上は多くが運転手の安全確認不足とされていますが、 実態としては“見落とし”です。

信号待ちの間に自転車が死角へ入り込み、発進時には後輪付近にいることがあります。そのまま左折すれば巻き込み事故につながりかねないのですが、こうしたケースはどうしても見落としが出やすい。

左折時、運転手は左側だけでなく、横断歩道の歩行者や前方の交通状況にも注意を向けています。その結果、再確認が不十分となり、“見落とし”が発生してしまう。A-CAM3は、まさにそうした見落としをフォローするための装置だと考えています」(東海クラリオン・仲田氏)

A-CAM3のモニター映像:自転車や歩行者が枠で囲われて表示される
A-CAM3のモニター映像:自転車や歩行者が枠で囲われて表示される
A-CAM3の検知範囲のイメージ:超広角レンズで車両側方5m×21mを広範囲にカバー
A-CAM3の検知範囲のイメージ:超広角レンズで車両側方5m×21mを広範囲にカバー

A‑CAM3を提供する東海クラリオンは、もともと業務用車両向けのバックカメラを主力としてきたメーカーだ。

しかし「カメラを付けていても、後退時に後方で接触事故が起きてしまう」という声が運送会社から相次いだことを受け、カメラ映像をもとに危険を検知して警報を出す衝突防止装置「iBOX」を開発し、後退時の安全支援に取り組んできた。

その後、「この仕組みを左折時にも応用できないか」という現場からの要望が寄せられ、九州から北海道まで全国各地の輸送会社と協力しながら、実証実験とAIの学習を重ねて改良を進めてきた結果、左折時の巻き込み防止を目的とした「A‑CAM」シリーズが誕生。

単車向けモデル、トレーラー向けモデルとラインナップを広げ、その機能を統合・強化した3代目モデルとして、2025年に登場したのが「A‑CAM3」である。

同社はこの分野に比較的早い段階から取り組んできたこともあり、検知エリアの範囲など基準が明確でない時期から全日本トラック協会と協議を重ね、協会が求める要件を満たす形で製品を仕上げてきた。その結果、現在では数社しか認定されていない同協会の助成金制度の対象装置のひとつとなっている。

「青切符の導入をきっかけに、これまで接点のなかった企業からの問い合わせが明らかに増えました。以前は、うちは巻き込み事故が起きていないから大丈夫。と導入に慎重な企業も多かったのですが、今は自転車との接触リスクに対して何らかの対策を講じる必要があるという意識が広がってきていると感じます」(東海クラリオン・仲田氏)