常連客らは「これから行くとこがない」
資源エネルギー庁が18日に発表した石油製品の小売市況調査では、16日時点のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は1リットルあたり190.8円となり、9日の前回調査から1週間で29.0円上昇。200円を超えるスタンドも珍しくない。
さらに重油は、供給が止まるケースもすでに起きている。「わさビーフ」などを製造する山芳製菓は12日、重油調達難により工場操業の一時停止を公表した。ポテトを揚げる燃料である重油は先週から入ってこなくなったという。
東海地方にある銭湯でも、重油不足のため時短営業をするなかで臨時休業を計画したが、重油調達の見通しが立ったので臨時休業を撤回すると告知するなど、銭湯経営の苦しい状況がネット上でも報告されている。
近年、全国的に公衆浴場の数は年々減少してきている。今年2月の産経新聞の報道によれば、各都道府県の浴場組合でつくる「全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会」の集計で、組合に加入する銭湯数は戦後最も多かった1968年の1万7999軒から昨年は10分の1以下となる1562軒にまで減っている(スーパー銭湯やサウナ施設は除く)。
特に、重油ボイラーを使う銭湯の経営には、今回の“令和の石油ショック”が大きく響いてくる恐れがある。
桂木温泉は、銭湯最盛期であり山口さんが生まれた1968年に創業。祖母が番台に座る姿を見て育ってきたという山口さんによると、閉湯のお知らせを見た常連客らは「これから行くとこがない」と嘆いているという。
厳しい経営状況の中で、地域のために耐えてきた老舗の公衆浴場が消えるきっかけとなった今回の石油危機。基幹産業の維持も重要だが、石油製品を必要とする零細業者を救う対策も政府には求められている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













