「現状の法律では、自衛隊員が実弾の使用を許される場面は事実上ないに等しい」
自治体での対応が限界を迎え、自衛隊の派遣が検討され始めたクマ被害。そもそも自衛隊が派遣された場合にどういった対応が可能なのか。仮に自衛隊員がクマに遭遇した場合に、発砲することはできるのだろうか?
元陸上自衛隊隊員であり、レンジャー五領田法律事務所の代表を務める五領田弁護士に話を聞いた。
「現状の法律では、自衛隊員が実弾の使用を許されるという場面は事実上ないに等しいと思います。クマに遭遇した場合であっても、警察官や猟友会以上に“見えない縛り”があります」
五領田弁護士はこのように前置きした上で、「別の手段」があると話す。
「発砲しなくても『銃剣』を用いて何人かで駆除する、という形で十分対応できます。銃剣は普段は研いでいないのですが、法律上、銃剣を研ぐことに法律上の制約はありません。ですから、発砲せずとも、研いだ銃剣でクマを駆除することはできます。
銃剣道は白兵戦(至近距離での戦闘)のための武術であり、殺すためだけにつくられた武術なので、多分クマも勝てないと思います。銃剣道は戦時しか使いませんが、その能力は非常に高いです。いずれにしても発砲する必要はありません」











