「ワイルドローラーでGOの巻」(ジャンプ・コミックス第197巻収録)
今回は、車輪内に仕込まれたモーター……いわゆるインホイールモーター搭載のローラースケートを用いたマラソン大会に両さんが出場するお話をお届けする。
作中で登場する中川の会社の新製品は、10月15日からお届けしている「ローラースポーツでGO!GO!!の巻」(ジャンプ・コミックス第121巻収録)に登場するベアリングボール付きスキーと比べると、驚異的な技術進化を遂げている。
見た目こそインラインスケート用のシューズと大差ない。だが、装着者自身の脚力による全身をサポートする形で推進力を発生させ、独立懸架の2列×3輪の計6輪のホイールが斜めに傾いても接地し続け、おそらくはコンピュータ制御されたドラムブレーキが踵のストッパーと連動する……。まさにハイテクの固まりのような品だ。
現実でも動力つきのローラースケート靴は存在しているが、リモコンでモーターを操ることが必要で、とても作中の品の域には達していない。もし実現したら、さぞ楽しいことだろう。
このローラースケートを使った市街地レースでの両さんの活躍が、本作後半の見どころだ。ぜひ存分にお楽しみいただきたい。
ちなみにこういったアイテムの使用に際して、さまざまなルールが確立していないなかで公道を走るのは、事故の原因となる。本作ではあくまでもレースが一般の通行とは切り離された形で開催されている点に注目してほしい。もっとも両さんの行動により、カオス極まりない展開が訪れてしまうのだが……。
電動ローラースケートで疾走するお話が、本作が描かれた2015年よりも26年も前、つまり1989年にも描かれている。「超兵器パトローラー発進!の巻」(ジャンプ・コミックス第68巻収録)においてのことだ。
両さん謹製の「パトローラーⅡ」は、ラジコン用の小型2ストガソリンエンジンと4輪を靴底に配して疾走する、かなりパワフル&スピーディーな品だ。
ベルトにエンジンのオンオフ用のスイッチを取りつけてはいるが、回転数のコントロールはできない、片足のエンジンだけがエンストすると両さんは回転しながら大暴走……と、実用化するにはかなり難のあるものだった。これはこれで読んでいるぶんにはとてもおもしろいので、こちらもぜひご覧になってみてほしい。
それでは次のページから、一歩未来のローラースケートで疾走する大波乱のマラソン大会をお楽しみください!!