「9月10日市議会を解散、10月19日に出直し市議選」という情報も…
自身への刑事告訴や不信任の議案が議論されている間、田久保市長はずっと下を向いて忙しそうにメモをとるようなしぐさを続けた。討論に立ったれいわ新選組の犬飼このり議員がこれを見とがめ、「人の話を聞く態度ではありません。ちゃんと聞いてください」と注意したりもした。
不信任案の通過直後、田久保市長は「市民の皆様には大変なご心配とご迷惑をおかけしていることを改めて謝罪したい。本当に申し訳ございません」と口にした。
だが市民生活を左右する自身の去就については、「不信任議決通知書」を中島議長から渡されても「受け取ってすぐに即答する類のものではない。まずはきちんと持ち帰り、もう1度不信任決議の方も紙を見させていただいて考えた上で決めたい」と明言しない。
自身が議会から告発されたことについても「私の方から発言がもうできない状況になりましたので、まず内容の確認をさせていただきたい」として回答を事実上拒んだ。
「議会側は、市⻑が10日以内に迫られる失職か辞職、または議会解散かの判断を見極めるため9⽉2⽇から11⽇までを休会にすることを決めています。失職か辞職の際には以降の9⽉定例会が市⻑不在になるため、⼀般質問の日程を設けない異例の態勢を敷いています」
市議の一人がそう話すように市議会のスケジュールは今も振り回されている。だが、田久保市長自身はすでに“方針”を決めているようだと市関係者は話す。
「9月10日に市議会を解散し、10月19日に出直し市議選を行なうとコアな支持者グループに伝えたという情報を聞きました。
出直し選挙後に構成される次の市議会で過半数の賛成を阻止すれば、再度の不信任決議は止められるため、そこへ向けて田久保さんは支持者の擁立を図っているとみられてきました。
ただ、そのためには10人の当選が必要ですが、それは難しく、結局、次の議会でも不信任決議が通って失職する可能性が高いです。
そうなるといよいよ出直し市長選で、田久保さんはそこに出馬し、反田久保派の候補が複数出馬して票が割れることに活路を見出そうとしているようです」(関係者)
田久保市長は支持者に「私にしかできないことがある」と再び結集を呼び掛けているとの証言もある。「実際に5月の選挙で掲げたメガソーラー計画や新図書館建設計画の阻止は田久保さんでなければできないと思っている支持者はいますよ」と支持者の70代男性は話す。
ただ前回選挙で田久保市長を応援し、今回の騒動で見切りをつけたという市議の一人は、「支持者はどんどん離れて、今はコアなごく少数しか残っていないんじゃないでしょうかね。さらに、出直し市長選になれば、反田久保陣営が田久保さんから離れた元支持者をたきつけて立候補させ、前回田久保さんに入った票を割る計画もあるという情報も飛んでいます」と話す。
田久保氏の“闘志”は続くのか。続いてもついていく人はいるのか。伊東市の混乱は続く。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班