燃えた車両も放置状態。「投棄が投棄を呼んでいる」

「事業所の前には荷下ろしや搬入のためにトラックがよく停まるんですよ。事業所前に置いてあるドラム缶も、各社がコーン代わりに整理用として置いているものです。他社の車に勝手に停められたら、搬入作業ができなくなってしまうので。

ただ、反対側が不法投棄だらけだから、このドラム缶も不法投棄と勘違いされているかもしれませんね。放置車両の周りにある粗大ゴミも、最初はなかったんです。でも、車を放置しておくと、その車内にゴミを捨てていく人が出てくる。投棄が投棄を呼んでいるような状態です」(50代男性)

道路脇のドラム缶は不法投棄ではなく、各事業所が管理しているという(撮影/集英社オンライン)
道路脇のドラム缶は不法投棄ではなく、各事業所が管理しているという(撮影/集英社オンライン)

「行政や警察には何度も言っているんだけど、まったく対応してくれないんですよ。ナンバーが付いたままの車だってあるんだから、持ち主を特定できるはずなんですけどね」(前出・40代男性)

この男性は、荒れ果てた通りの現状を何度も行政に伝えているという。通りに面した事業所が連名で嘆願書を出すような動きはないのだろうか。

「そういうのは仕切る人がいないからねぇ。でも、行政や警察が動かなくても、盗難で勝手に減っていくんだよ。俺は夜勤もしているからわかるけど、レッカー車で車ごと持っていかれたり、ゴソゴソ部品を盗んだりしている人もいるね」(前出・70代男性)

中にはタイヤがない放置車両も。転売目的で盗難されたのかもしれない(撮影/集英社オンライン)
中にはタイヤがない放置車両も。転売目的で盗難されたのかもしれない(撮影/集英社オンライン)

次に、放置車両に縦列する形で車を停車している人々にも話をきいた。

取材に応じてくれた男性(撮影/集英社オンライン)
取材に応じてくれた男性(撮影/集英社オンライン)

「いまは仕事の合間に停車して、車内でPCを使って資料のチェックをしていました。ここは自分以外にも、タクシーの運転手や営業の外回り、事業所への出勤者など、いろんな人が車を停めているんです。でも、放置車両が多すぎて、停められる場所が限られてしまう。なんとかしてほしいですね」(30代男性)

「数年前から、仕事の都合でたびたび停車しています。僕の記憶では、この場所だけでいうと、クラウンが最初の放置車両だったと思います。それ以降どんどん増えていった印象ですね。

もともとは、この通り沿いにある水産業者のトラックがズラッと並んでいて、生臭さを抜くために荷台を開けて干していたんです。でも、それをやらなくなってから、空いた路肩に次々と車が捨てられていったんです。少し先に進んだ場所なんか、もっとひどいですよ。この前、放置車両が燃えたんですが、今もそのまま放置されていますから」(40代男性)

男性が「最初に放置された車」と指摘していたクラウン(撮影/集英社オンライン)
男性が「最初に放置された車」と指摘していたクラウン(撮影/集英社オンライン)

男性の証言を受けて200mほど歩くと、実際の燃えた放置車両を発見したのだが……。