しんどそうに食べていたら「残してもいいよ」と言ってきた
――すみません、無理に食べさせたわけではないのはわかっています。でも、二郎系には「オーダーしたものを残してはいけない」という独自ルールがありますよね。
昔はそういうルールが厳しくあったと思いますし、店からも食べ切れないお客さんに対し厳しく言う、みたいな風潮はあったと思います。
でもウチではそんなことは言いません。食べ切れなければ残せばいい。それに「マシ」とか「マシマシ」とか言いたいだけだから言ってしまう、という気持ちもわかる。でも実際に食べ始めたら無理だとなって、しんどそうに食べている姿を見たら「残してもいいよ」と言ってきました。
――なるほど。では警察からはなんと指導されたのでしょうか。
警察の方は嘔吐物については特に何も言っていませんでした。店の前に停めているお客さんの自転車などのことについて指導を受けました。「ここに停めたらあかんよ」とか。
――でも「無理しないでいいよ」と言っているのに、お客さんはなぜ無理にでも食べようとするのでしょうね?
それは僕らもわかりません。だいたい、吐くお客さんは数名のグループで来てる方です。「友達がみんなが食べてるから俺も食べ切る」みたいに、イキってしまうのでしょうか。ひとりで来るお客さんで吐いた方はいないと思います。
――お店をやられている身としてはご近所さんとのお付き合いもありますし、困りますよね。
そうですね。その警察を呼んだ店主さんからは、保健所を通して役所に連絡するとも言われていました。僕らはただ、お客さんからのオーダーを受けてそのまま出しているだけなのに。
――今後、どのように対策していくのですか?
とりあえず本日から当面の間は、野菜は「マシ」までにしようと思います。僕は、「たくさん食べられる=カッコイイ」とは思いません。
自分が美味しく食べられる量を選び、きれいに食べ切ってごちそうさまができる人が、スマートでカッコイイと思います。
どうか吐くまで食べ切ろうとしないでほしいです。
※
今年で13年目を迎えるこのお店。トッピングには「クリームチーズ」「チェダーチーズ」「オニオンフライ」「ガリマヨ」など、よりジャンク感を演出できる品がずらりと並ぶ。
西宮近辺でパンチのあるラーメン店として愛され、連日のように「現在63名待ちです」「40名待ちです」と行列ができている。
行かれる方はぜひとも自分の胃袋と相談したうえで注文してほしい。
取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班