タイの電車内で卑猥な話をする中年日本人

日本人観光客のマナー違反は寺院だけで起こっていることではない。「おそらく出張で来ているグループがオフィスビルから出てくるやいなや灰皿のない路上で集団でタバコを吸って、最後は植え込みにポイ捨てしているのを見ました」と、PKさんは街中での出来ごとを語る。

「私は電車で通勤していますが、道中よく遭遇するのが、日本人中年男性のグループがタイ人が大勢乗っている電車の中で、風俗の話を大きな声でする、というシーンです。周囲がタイ人だからわかるまいと思っているのか、聞いているこちらが恥ずかしくなるような話を平気でしています。タイ人でも日本語のできる方は大勢いますし、第一、日本ではそのようなことはしないはずで、日本ですべきでないことはタイでもすべきではないと思います」

ほかにも、日本語のできないタイ人店員などに対して日本語で横柄な態度を取っている日本人もいるという。また、タイのゴルフ場にはキャディさんへのセクハラを慎むようにとの注意喚起が日本語、韓国語、英語、タイ語の順で上から並んで書かれているそうだ。

バンコクの街中(写真/Shutterstock)
バンコクの街中(写真/Shutterstock)

とはいえ、上記のような例は一部で、実際現地での日本人の評判は「いい」ほうだとPKさんは話す。

「やはりほとんどの日本人はルールを知っていれば守りますし、飲食店で大声で騒ぐこともなく、むしろ礼儀正しいといった印象をもたれているように思います。私の印象では実は若い人のほうが意外におとなしく旅行している一方、特に中年男性のグループに上記のような振る舞いが比較的多く見られますね」

日本では昨今、外国人観光客のマナー問題が大きな話題になっている。先日も、チリ人姉妹が北海道室蘭市内にある神社の鳥居で“筋トレ”をする様子を撮影してSNSに投稿した動画が炎上。また、外国人グループが東京・日枝神社の鳥居の下でダンスをし、「罰当たり」だとしてSNS上で猛批判が殺到する事態となった。

タイでも日本人に限らず、外国人観光客のマナー問題は議論されているのだろうか。