「指示役が許せない、1日でも早く捕まってほしい」 

Aさんが知る「真月」は、やはり強盗事件の犯人のイメージとはほど遠い人物だった。

「小学校の頃から誰かとケンカしたこともないし、暴力とか振るえるやつじゃないです。それどころか、誰よりも優しくて、俺が事故を起こして入院した時も、病室には親族しか入れなかったので、真月はしょっちゅう病院の前まで心配して来てくれたそうです。

真月自身は猫アレルギーなのに、知り合いが引っ越しで飼い猫を手放さなくいけなくなった時、引き取ってくれたこともありました。荷物を運ぶのに人手がかかる時も、真月はすぐに手伝いに来てくれますし、本当に誰かを傷つけられるような人間じゃないんです。

だからこそ事件と真月が結びつかないし、どうしたってハメられたとしか思えないんです。『ホワイト案件』なんて騙されて、何か簡単な物を運ぶことで高収入になると思って行ったのだと思います。でなきゃ自分の車でなんて行かないだろうし、そこで他に逮捕された人達とも顔を合わせて『ヤバい』って思ったはずなんです。

真月は『指示役とずっと通話していた』って供述していますが、もうその時には家族に危害が及ぶことを考えて逃げられなかったんでしょう。俺はこの指示役が許せないし、1日でも早く捕まってほしいです」

Aさんは接見禁止が解けたら「真月」に面会に行くつもりだ。

「会えたらなんて声をかけるかですか……。そうですね。『お前何やってんだよ。モンストできないだろ』って言いますかね……」

交友関係の限られた「真月」はAさんの家族とも親しかった。中学時代は卓球部で、動物好きで人に優しく、雑学の知識も豊富だったという22歳の“普通”の青年はしかし、強盗殺人という許されることのない罪を犯した。

殺害された後藤寛治さん(技能検定団体ホームページより)
殺害された後藤寛治さん(技能検定団体ホームページより)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班