今のハプニングバーは「出会いの場」になっている

――店は去年閉店したとのことですが、それはなぜですか。

最後はお客が来なくなったっていうのもあるし、ハプニングバー業界もお客の取り合いで競争するようなところもあるから、そういうのにも疲れたというのもあるし。

なにより私の仲間が歌舞伎町で店を開いたから、あとは安心だ!みたいな感じですかね。

――今は何をされているのでしょうか。

「Purety」があった場所にメンズエステ店を開いたのと、その他に人材派遣の会社をやっています。

――ハプニングバー業界に対して思うことはありますか。

私がこの変態業界に入った80年代後半は、変態趣味の遊びの場はカップルが性行為や自慰行為を見せ合う「同伴喫茶」で、そこからカップルの彼女を交換する「カップル喫茶」に派生した頃でした。

変態趣味はあくまでカップル単位で楽しむものでしたが、現在は単独男性や単独女性の出会いの場に変わりつつある。そうなると「出会いバー」ではないか、という複雑な思いがありますね。

それに、やっぱり出る杭は打たれるから、儲け主義の店や派手にやりすぎてる店は今後も捕まると思います。

ハプニングバーの客たち
ハプニングバーの客たち
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――ハプニングバーが出会いの場になっているとは驚きです。

今のハプニングバーに来ている単独女性の中には、「ハプバーで遊ぶのは浮気じゃない」みたいな感覚の子が多いみたいですね。単独男性は昔から変わらずスケベ心ひとつですけど(笑)。

女の子の感覚は明らかに変わったんでしょう。変態カップルが純粋に刺激を楽しめる場がなくなる、そういう文化がなくなっていることには、どこか寂しさも感じます。

――そんな川口さんは67歳の今も変態趣味を変わらず楽しみ続けているのですか?

いやあ、もういいかなって感じです(笑)。50代くらいまでは彼女もいて乱交パーティを主催したりして楽しんでましたけど、今はもうパーティはしません。

と言いながらも、週に2回くらい女性と“スル機会”はありますけど。ほら「終電なくなっちゃったし、帰るの面倒だから泊まってこうか」ってなること、あるでしょ?

                ※

ハプニングバーを生んだ男は、67歳の今も人生を謳歌していた。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班