「うちの旦那使えなくてさ(笑)」ママたちの愚痴に肩身狭く 

父親の育児うつは、ワンオペ状態や復職後に仕事と育児の両立の難しさからバランスを崩し、発症するケースが多いと言われている。

保育士資格を保持する中西さんでもワンオペ状態で孤独を感じた場面は何度かあった。

「育児そのものがつらいというより、言葉によるコミュニケーションが難しい赤ちゃんと2人きりで、近くに話せる大人がいないという状態が『育児うつ』の一因になるんだなって思いました。

僕の場合は保育園に勤務していたこともあり、子育て支援のネットワークがある程度、頭に入っていたので、それが安心材料になりましたが、育児中はいかに社会から孤立しないかが大事なんだと思います」

それでも子育て支援センターや母子保健センター、また保健師訪問の支援対象はほとんど母親であることに育休中ギャップを感じたという中西さん。

「困っているのはお母さん前提で、僕は対象じゃないんだなってそれだけで心砕かれましたよ。平日に子育て支援センターに行って『みんなで育児の話をしましょう』ってなっても10人中、僕だけ男だったり。

状況としてはワンオペのお母さんと変わらないのに、男性ってだけでよくも悪くも特別視されて、居心地の悪さは感じますよね。

お母さん同士で『うちの旦那使えなくてさ』って愚痴り合ってる中で、妻の愚痴なんて言えないじゃないですか(笑)男性多数の企業で働いていて、いきなり育休に入ると育児の世界では男性はまだマイノリティなので、戸惑う人も多いし、男性の方が孤立しやすいのかなって感じました」

育休1年取得し育児に励む中西信介さん
育休1年取得し育児に励む中西信介さん