自死した19歳男性の前日の様子

また、ツマミ氏は9月20日に自死した男性Aさん(19歳)と生前から親交があり、彼のこんな一面を知っていた。

「彼とはここ1年半ほどの付き合いでした。Aさん自身も親から虐待を受け、帰る場所はなく歌舞伎町の住民でした。

また、特殊詐欺事件の主犯として現在東京地裁で公判中の徳永晋太郎被告から指示を受けて事件に関わっていたことで逮捕され、少年院から出院したばかりでした。

出院後は薬物回復施設に入っていましたが、追い出されてしまい行くあてもなく歌舞伎町に戻ってきていました。

そして再び歌舞伎町で生きる中で、周囲のキッズ達に“辛い過去は変えられないけど未来は決まってないから生きていこう”と勇気づけるなど、人望も厚い存在でした」

このホテルで飛び降りをした少年少女たちが最期に見たであろう景色
このホテルで飛び降りをした少年少女たちが最期に見たであろう景色

そんな人望も厚い少年がなぜ?  Aさんと一緒に自ら命を絶った女性Bさん(19歳)のことを知るトー横キッズの高橋さん(15歳)が教えてくれた。

「Aさんはひとりで遊びに来てる私のことを『こいつのこと守ってやってな』って周りに声かけてくれる人でした。いつも"死ぬなよ"って。

でもBちゃんはいつも“死にたい”と言ってた。なんでふたりがあの日一緒に非常階段に行ったのかはわからないけど、Bちゃんが飛び降りたからAさんはひとりで逝かせるのが可哀想で飛び降りたのかもしれない」

Aさんがツマミ氏に送ったメッセージ
Aさんがツマミ氏に送ったメッセージ

前出のツマミ氏は、自死の直前までAさんと連絡を取り合っていた。

「飛び降りる前日の19日22時頃、彼のXの投稿から死を考えているように感じたので、私は心配になり“大丈夫なの?"とDMしたら、“サ終っ”とだけ返事が来て…。サービス終了という意味だと思うんですけど、彼にとってみたら、生きる=サービスで、終了=自死だったんだと思います。

これはマズいと思いAさんの友人に連絡したら、その友人もちょうどAさんとBさんがいるホテルの非常階段にいて元気な様子を確認していたんです。

だからその場を離れたそうですが、Aさんの友人から朝5時頃に“ごめん、死んじまった”と…。彼らの死がとても悔やまれます」