本番行為を許して身も心もセラピストの思うがまま…

介護士のミナミさん(29)は、その男性経験の少なさをセラピストCに利用されてしまった。

「Cは同い年でした。2、3回目の施術の際に『挿れていい?』と聞かれて、つい応じてしまったんです」

もちろん、女性用マッサージ店での本番行為は法律的にアウトだが、体を許したことで完全にセラピストに心を奪われてしまった。

「それから『ずっと一緒にいたい』『一生離さない』『俺がセラピストを卒業したら結婚しよう』などと言われ、男性から優しくされたことがほとんどなかった私は舞い上がってしまって。『ゼクシィ』の付録についていた婚姻届にふたりで署名をしたりもしました。

セラピストCにねだられるがままにお金を渡してしまったミナミさん
セラピストCにねだられるがままにお金を渡してしまったミナミさん

私はすっかり結婚できる気だったので、Cから『車検でお金がかかる』『ドアが壊れたから鍵代がほしい』など何かと理由をつけてせがまれれば、疑いなくお金を渡していました。出会って1年で130万円以上はCに使っていたと思います」

お店を介さず直接お金を渡すことを「裏引き」といい、このように結婚をほのめかす営業は「ゼク営(ゼクシィ営業)」と呼ばれる。いずれもホスト界でも横行しているものだ。

その後、ミナミさんも搾取されていることに気づき、「縁切り神社」として知られる京都の安井金比羅宮へ行き、Cとの関係を断ちきれるように祈願した。

騙されていることに気づいたミナミさんは縁切り神社で絵馬を奉納
騙されていることに気づいたミナミさんは縁切り神社で絵馬を奉納
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このような悪質セラピストが行なう営業について、男女関係や婚外恋愛などを中心に取材するライターの亀山早苗氏は言う。

「男性優位で、女性がそれに我慢して従い大金を貢ぐ図式はホストと基本的に変わらないと思います。もちろん、女性のために一生懸命サービスするセラピストはいるでしょうし、本来は女性を癒してくれるのが女性用マッサージ店ですが、狂信的にハマると取り返しのつかないことになりかねないでしょう」

ホストよりもさらに直接的に性に関わるサービスだけに、それを武器にお金を搾り取る悪質セラピストもまた今後、大きな社会問題に発展する可能性もありそうだ。

※「集英社オンライン」では、女性用マッサージ店のトラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。
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取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班