TARAKOさんが現場で見せていた姿

アニメ『ちびまる子ちゃん』は、34年間にわたって声優を務めてきたTARAKOさんが3月4日に急逝。以後、放送スケジュールを変更して、過去の名作回を再オンエアするなどして放送を繋いできた。そして、3月24日にTARAKOさんが最後に声を吹き込んだ回、“「まる子、水の味がわかる?」の巻”が放送された。

 ©さくらプロダクション/日本アニメーション
 
 ©さくらプロダクション/日本アニメーション
 

菊池さんが登板する直前の4月14日放送回も過去の再放送で、TARAKOさんが演じる『ちびまる子ちゃん』をオンエア。この回は、オープニングに初代主題歌の『ゆめいっぱい』を流し、エンディングにも初代バージョンの『おどるポンポコリン』を流すなど特別編成が取られた。

これまでに、『ちびまる子ちゃん』で多くの脚本を手掛けている脚本家の髙橋幹子さんは、TARAKOさんの印象について、「コロナ前、忘年会のとき、毎年座長らしく明るく場を盛り上げる姿に『強さ』を感じていました。この方はきっとグチったりせず、現場で、姿勢で、“答え”を見せていく人だ、と。自分もそうありたいなと思いました」と語っている。

また、『ちびまる子ちゃん』制作スタッフは、今回の新声優オーディションについて、節目のコメントを発表している。

「のんきでぐうたら、でも友だち思いで、家族が大好きなまる子。そんな表現豊かで、天真らんまんな姿を演じていただける方にお願いしたいと、時間の許す限りオーディションを行ない、菊池こころさんに巡り会うことができました。スタッフ一同、まる子役にぴったりの方で、この方しかいないと自信を持っています。30年以上にわたり、まる子役を演じたTARAKOさんが育んでくださった“まる子”の姿を大切にしながら、菊池さんとともに、これからも楽しく愉快な『ちびまる子ちゃん』をお届けしていきます」

『ちびまる子ちゃん』はアニメ35周年を記念し、4月21日の放送から6月9日にかけて「季節まるごと!さくらももこ 春夏秋冬の原作まつり」を開催。菊池さんの務めるまる子と一緒に、懐かしい名作の数々を楽しみたい。

取材・文/集英社オンライン編集部