情報の送り手と受け手の
つながりが希薄化する?
本章の冒頭で、「AIに聞けばなんでも解決する」世界がやってくると述べました。単純な質問の解決だけでなく、創作などもAIによって生成されたものを参考にすることが多くなってくるかもしれません。ユーザー視点では、得られる情報が検索よりも質が高いものになる、探しやすくなるなどの利点があるでしょう。
しかし、「AIに聞けばなんでも解決する」ということは、裏を返せばAI以外のものに一切頼らなくなるということです。今までは、自分だけでは解決できない問題に遭遇した場合、身近な人に聞く、検索によってたどり着いた記事を参考にする、他の人によって作成されたコンテンツを参考にするといった手段で解決を試みていました。
この過程で、アドバイスを求めて話を聞いた人、参考となる資料やコンテンツを作成した人、あるいは認知した企業などの存在を、なんらかの形で意識することになります。その結果、人や組織との関係が生まれる、個人や企業のプロモーションにつながる、参考にした相手への敬意が生じるといったつながりが生まれていました。

ところが、AIによって解決される範囲が増えすぎると、これらが希薄化する懸念があります。
情報発信やコンテンツの作成を生業としている側の視点では、この事態は致命的です。プロモーションの機会が失われることで、利益の減少にも直結します。特に、活字媒体の利用には大きく影響するでしょう。
この事態を軽減するためには、生成AIの生成結果に出力の根拠の引用を含めるといった処置が考えられますが、現在の生成AIのモデルそのものには、出力から学習に使用したデータの出典を特定する機能は存在しません。今後は出力結果から類似度検索を実行し、できる限り出典を開示するようなシステムの需要が出てくるでしょう。
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