「信濃町のご自宅は、めちゃくちゃ小さい和風の家でしたよ」

だが昨今、池田氏の長期不在が公明党の集票力を落としているという側面はないのだろうか。

「集票力の低下は高齢化の問題でしょう。創価学会は日本の縮図みたいなものなので、日本全体で高齢化が進み、人口が減って子供が減ってくれば創価学会も同じ折れ線グラフになるわけで。今日まで池田先生がいても票は減ってきていたわけですから」

池田氏の個人資産は1兆円以上とも噂されるが、内部ではどうみられているのか。男性が続ける。

「個人資産をどれぐらいお持ちかわかりませんけど、例えば池田先生が書かれた『人間革命』という本をわれわれが学習するために買うので、その印税だけでも多額の資産はあると思います。ただ、池田先生にはプライバシーなんてほぼない。これだけ世界中の創価学会員の目があったら悠長にお金なんて使えるわけないでしょう。外で飯も食えませんよ。それに以前に長いことお住まいだった信濃町のご自宅は、めちゃくちゃ小さい和風の家でしたよ。

だから具体的な資産の額は知りませんが、先生がお金を欲しがっていたと思っている学会員は誰もいないです。創価大学とか教育文化機関に先生の個人のお金を相当使われていると思いますよ」

1962年に撮影された30代の頃の池田大作氏(写真/共同通信社)
1962年に撮影された30代の頃の池田大作氏(写真/共同通信社)
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11月23日には学会葬が行われる予定だ。学会員は「老師」の死をどう受け止めているのだろう。

「今日は私も学会の活動をしていましたが、周囲の方々はほんとびっくりしたよね、これから頑張っていかないとだね、という感じでした。表舞台に出てこられなくなって、みんないつかはこういう日を覚悟していました。もう95歳でしたから。先生の訃報は、創価学会本部から47都道府県の各地域に順番に連絡が降りてきて、みんなが知ったという流れです。

創価学会は公明党のイメージも強いですから、政治的に論じたい人も多いのでしょうが、それだけ池田先生が多くの人や社会に対しても影響を与えたといえるでしょう。私自身も若いときはそこまで熱心に学会員をやっていたわけではありませんが、いろいろなことに行き詰った時に池田先生の指導に触れて、池田先生を自分の師匠、人生の羅針盤というか、そんな風に感じるようになりました。私個人はこれからも変わらないですし、多くの学会員のかたがそう考えていると思います」

陰に陽に、政治や国のかたちにも影響力を及ぼしてきた「三代」の死が何を意味するのか。今後、徐々にわかっていくのだろう。


取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

#1〈池田大作氏死去〉「池田先生が亡くなって創価学会が空中分解するだろうと思っている学会員は皆無」信者たちが語るカリスマの実像「我々は10年間準備をしてきた」「後継者争いはない」