生徒さんが輝いていく瞬間がわたしの原動力

自分の個性は誰かを照らす光になる。長谷川博己×綾瀬はるかの映画初共演作『はい、泳げません』_c
©2020『はい、泳げません』製作委員会

水に入ると恐怖から力んで沈んでしまう小鳥遊に対してかけた、「たとえば、浮こうとするんじゃなくて浮いちゃう、生きようとするんじゃなくて生きちゃう。流れに身を委ねてください」という言葉も印象的でした。

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©2020『はい、泳げません』製作委員会

わたしは、日々のヨガクラスや整体などのボディケアセッションの中で、生徒さんやクライアントさんの心身がゆるんでいく場面に立ち会うと、彼らが輝いているように感じ、こちらの心までそのまぶしさに包まれるように感じます。それが指導する立場としての私の原動力となっているのですが、こわばって硬くなった小鳥遊のこころが静香や周囲の人たちの言葉やあり方で徐々に開き、和らいでいく過程が本当に尊く感じられました。最初は偏屈でかたくなな小鳥遊の態度のせいで物語に入り込めずにいたのですが、いつのまにか共感し引き込まれていました。

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©2020『はい、泳げません』製作委員会

小鳥遊にとって水の中や泳ぐことは闇。静香にとってそれが光。
人それぞれおかれている環境や問題は違いますが、完璧でなくてもお互いに自分の持っている灯で暗闇にいる人の光になれるのだということを、この映画を通して思い出させてもらいました。
傷ついた心やトラウマ、そしてもしかしたら誰しもが持っている、解放しきれない心を開いていく勇気をくれる、切なくもあたたかい映画です。