「ちばあきおが描いているとしか思えない」
実はもともと増澤自身も『キャプテン』のファン。間違いなく人生で一番繰り返して読んだマンガで「魔球も必殺技もスーパーヒーローもいない、でも、だからこそ自分でもこうなれるんじゃないかと思えるキャラクターたちに惹かれ、夢中になって読んでいた」。
マンガに携わる仕事に就いた原点ともいえる、かつて担当していた本宮ひろ志に「どんな作品が好きか」と訊かれたときも『キャプテン』と即答。それがきっかけでちばあきおの長男、一郎と縁がつながり、やがて続編の企画が具体化していくことになった。
もっとも続編といっても、「『プレイボール』22巻(完結巻)の続きから」などということは夢にも考えていなかったという。もちろん一読者としては、「それ」が一番読みたい。だが、そんなことをやってのける人がいるとは思いもしなかった。
しかし城倉先生は、「それ」をやってしまった。すごい、のひと言です。まず予告用のカラーイラストをいただいた時は、ちばあきおプロダクションからお借りしてきた原稿かと思ったくらいビックリしました。「これ、本当に城倉先生が描いたんですか?」と(笑)
まるであきお先生が描いたかのような筆致を見て、どんな物語がこれから始まるのかと心からワクワクしました。(増澤編集長)
『ちばあきおを憶えていますか』によると。かつてちばあきおの担当編集者だった谷口忠男から見ても「すごいよ。この城倉という人は天才だね。ちばあきおが描いているとしか思えない」と感じたそうだ。