四谷大塚のような事件がいつまた起きてもおかしくない

ハグOK、他教室の個人情報も閲覧可だという某学習塾の講師は、「日本版DBS制度が始まっても、塾が性犯罪歴の確認の義務づけ対象にならなければウチは絶対、確認しないでしょうね」と断言する。

「塾内では、四谷大塚の話はするなという雰囲気。この事件を受けて、防止のための対策がとられたこともありません。塾の社員に『日本版DBSが導入されたら、うちも性犯罪歴を確認することになるんですかね』と話を振ってみたら、『義務でもないなら、わざわざやる必要はないでしょ』と言われました。確認の手間が面倒なのでしょう。義務化されなければ、絶対にやらないと思います」

森容疑者が盗撮した教室
森容疑者が盗撮した教室

この男子大学生は、勤務先の塾の意識があまりに低く、性犯罪の温床になるのでは、と危機感を覚えている。

「友人が勤務している大手塾では、教室に行く前にポケットの中にスマホなどが入っていないかチェックされると聞きました。でも、うちの塾では授業中もズボンのポケットにスマホを入れている先生がいます。個人情報の管理もゆるく、講師は、他教室の生徒も含め数百人の子どもの住所や家族構成などをパソコンで見られます」

さらには、この塾では生徒とこんな身体的接触もあるという。

「生徒が塾に来たときに、講師がハグをするのが日常風景。セクハラじゃないかと思い、社員に『まずいのでは』と言いましたが、『距離感を縮めないと、仲良くなれない』『こうしたことをしめつけるのは簡単だけど、性犯罪を犯す一部の人のせいで、しめつけが厳しくなるのはおかしい』などと取り合ってもらえませんでした。小学校~高校まで男女問わず、生徒に対してそんなことをやっています」

男性は、塾の無策ぶりに、四谷大塚のような事件がいつ起きてもおかしくないと感じている。

「うちの塾では講師が生徒にハグするのが普通で、数百人の個人情報にもアクセスできると性犯罪者が知ったら、うちに講師として働き始めようとする可能性だって十分ありますよね。塾にも絶対、性犯罪歴の確認は義務づけたほうがいいと思います」

「日本版DBS」を導入するための法案は、秋にも開会する臨時国会への提出が見込まれる。四谷大塚のような事件を繰り返さぬよう、子どもの安全を第一に考えた対応が求められている。

〈四谷大塚盗撮事件でどうなる日本版DBS〉「生徒との距離感を縮めるため、ハグは日常」という学習塾は「講師の性犯罪歴をわざわざ確認する必要はない」と危機感が薄いが…_4
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班