テイクアウト専門店でもライブ感を

――とはいえ、あくまで奥様の好きなおにぎりととん汁でお店を始めたわけですから、夫婦愛のあるいいコンビだと思いますよ。

潤さん フォローありがとうございます(笑)。

千恵さん 私は自分でやりたいと思っても動けない人ですが、旦那はプロデュースというか目標へのレールを敷くのが上手なので、私がしたいことを代わりにやってくれています。
飲食店は料理を作れるだけじゃ成り立たなくて、経営のこともかなり勉強が必要ですから、そういう意味では、バランスの取れた関係だと思います。

開店初日で2時間待ち! 大人気おにぎり専門店を営む夫婦の経営哲学。「お客さんがもらす“日本人でよかった”がおにぎりの醍醐味」。目標は「最後の晩餐で食べたいごはん」_6

――オープンから約9ヶ月。山太郎はできるだけお客さんを並ばせないような工夫をしているように見えます。

千恵さん 旦那も私も、本当は“並びたくない人”なんですよ。真夏や真冬にお客様に並んでもらうのは申し訳ないですし、お待たせするにしても他の場所でゆっくりと待っていただきたい。
以前までは混雑する土日は整理券を配布してたのですが、7月8日にお店の斜め向かいにテイクアウト専門店をオープンしたらお客様が分散して、行列は店内のみになりました。これは狙い通りでした。

やっぱり長時間並べない、時間の都合がつかない、そんな方にもぜひ食べてほしいですから。
実際、お子様連れの方々が「すごく便利で助かる」って仰ってくれて。ただ、握りたてのおにぎりは賞味期限3時間なので、早めに召し上がっていただけたらと思います。

開店初日で2時間待ち! 大人気おにぎり専門店を営む夫婦の経営哲学。「お客さんがもらす“日本人でよかった”がおにぎりの醍醐味」。目標は「最後の晩餐で食べたいごはん」_7

潤さん 受け渡しだけのお店でも、握り台が外から見える配置にしてあります。街の方々におにぎりを握るところを見てもらうのは新しいかなと。これも大事なライブ感ですよね。
テイクアウトとはいえ、注文を受けてから握るのは同じですから、視覚的にも楽しんでほしいです。
ゆくゆくはテイクアウト店で山太郎グッズなんかを置きたいですね。