自分と向き合い、ストレスと上手に付き合う

——五月病にならないため、また悪化させないためにはどうすればよいでしょうか。

「ストレスとうまくつき合っていくこと」が必要です。日頃から、自分にストレスが溜まっているかどうかを意識しておきましょう。

変化に敏感で共感性の強い方は、見ためは社交的であっても、実は「隠れ内向的なタイプ」であることが多いのです。つらいことがあると自分を責めてしまったり、ストレスの発散が苦手だったりする傾向があります。

——どのようにストレスの溜まり具合を確かめればよいですか?

ほんの少しの時間でよいので、ゆっくり音楽を聴いたり湯船に浸かったりしてみましょう。そしてお気に入りの香りのマッサージクリームを塗るなどして、ホッとする時間を確保。張り詰めた神経をオフにする時間を作ってみるとよいですよ。

そうやって自分を見つめていると「今日はストレスを感じていたんだな」と意識できるはずです。

——ストレスが溜まっていると感じたらどうすればよいでしょうか。

まずは心身を休めることです。睡眠をしっかり取って、リフレッシュする時間を意識的に確保します。緊張するようなメールやLINEの返信はいったん休み、散歩をしたり気の置けない友達とだけ連絡をとってみたりしてください。

他にも以下のようなことが有効です。自分の気持ちや感覚を大切にする時間を取ってみましょう。

・趣味に打ち込む
・カラオケで大声を出して発散する
・栄養たっぷりのおいしいものを食べる
・いつもより丁寧にスキンケアをする

ただし新しい刺激に触れたり、頭や体力を使うことを急にすると、逆に疲れてしまうかもしれません。過去に何度か試したことがあるストレス解消法をリストアップしておくとよいでしょう。

塗り絵やパズルなどは、うつ病患者のリハビリの一環としても非常に効果的です。スマホゲームのような刺激を一方的に受け続けるものは避け、自分の感覚を大切にしながら夢中になれるものに取り組んでみてください。

——「繊細さん」が感じるストレスを軽減するためにできることはありますか?

「繊細さん」は断るのが苦手だから、他人の問題を自分で背負ってしまいがちです。タスクを引き受けすぎたり、気乗りしない誘いを断れなかったりします。

「嫌われないかな?」と心配して断れないことが多いのですが、無理をしてまで抱え込む必要はありません。

解釈は一通りではないことや、世の中には無神経なタイプも存在すること、苦手な人や仕事には無理に好意的にしなくてもよいことを意識してみましょう。これだけで「繊細さん」がだいぶ生きやすくなるのではないでしょうか。

取材・文/平林 亮子