映り込みのために最大12時間待ったことも

電車で30分ほど揺られて赤坂見附駅に降り立った増井さんは「赤坂5丁目ミニマラソン」のコースを入念に下見。時刻は午後3時、スタートまでまだ5時間もあるのに、だ。コースを1周したところで増井さんはある場所を映り込みポイントに定めたようだ。これはどのような根拠なのか。

「決め手は固定カメラの位置です。少しカーブするこの道なら確実にカメラに抜かれます。バイクの車載カメラにも映りやすいので、今日は絶対にイケますね」

“映り込みおじさん”のすさまじき嗅覚…「オールスター感謝祭」3年半ぶりの赤坂ミニマラソン映り込み大作戦に密着! 最大12時間待っても映り込みを止めない理由とは?_3
固定カメラの位置から映り込みポイントを決定

まるで『プロフェッショナル 仕事の流儀』の取材をしているかのような錯覚に陥る。そのくらい増井さんは映り込みに対して“マジ”なのだ。
それにしても、スタートはまだまだ先なのに若い女性を中心に待機組の姿が目立つ。

「今回のミニマラソンはジャニーズタレントも参加するので、例年に比べて人は多いですね。早めに来ておいて正解でした」

ブルーシートに座る女性に増井さんは何時に到着したかを聞くと、彼女は朝10時から場所取りをしていると答える。しかし、増井さんは動じない。というか、張り合うように我々に話す。

「侍ジャパンの凱旋帰国のときは私も成田空港で10時間待ちましたし、このくらい当たり前ですよ。2019年にすしざんまいの(木村清)社長が初競りで大間のマグロを史上最高額で落札したときにも映り込んだんですが、そのときは終電で豊洲市場に行って12時間くらい待ちました」

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本番に向けてエネルギー補給中、ギャラリーと談笑する。現場には様々な出会いがあるようだ

増井さんは声を掛けてきた男性と、ひとしきり会話で盛り上がる。映り込みを通して仲良くなった、いわば“同志”だという。

「あの方は『オールスター感謝祭』の常連なんですよ。ちょうど今日みたいにミニマラソンを待っていたときに仲良くなって。今回3年半ぶりの赤坂のミニマラソンということで、久々の再会を祝してました。こうした出会いも、ボクが“テレビの映り込み”を続ける理由のひとつですね(笑)」