「体に無茶をさせてオタ活をする人たちが多い」
そもそも、なぜオタクにジムが必要なのか。
SAKUさんは「オタクの活動には、かなりの体力がいるんです」と説明する。
コミックマーケットやコミティアでは始発の電車で駆けつけて数時間待ちが当たり前。推しが出演するコンサートや演劇へは夜行バスなどで遠征。推しのグッズを買うために炎天下に長時間並び、ライブではペンライトやうちわを振り続けて2、3時間……。
このようにオタ活には、厳しい状況に耐える気力や体力が必要だ。
SAKUさんは、これまでのオタク人生の中で、イベントで倒れてしまいそのまま亡くなった人も目にしたそうだ。
「亡くなった方は面識のないコスプレイヤーでした。他にも、もともと体が弱い同人絵描きの友人がいるのですが、夜中まで原稿作業で頑張りすぎてしまって。彼女は自宅で倒れて救急車で運ばれました。幸い命に別状はありませんでしたが。
遠征するオタクは、遠征先で昼と夜の公演を両方とも見て、夜行バスで帰ってきてそのまま仕事へ行ったり。体に無茶をさせてオタ活を続ける人たちがめっちゃ多いんです」
体を酷使してはいるが、日々の運動を習慣化しているオタク女性は多くない。そんな現状をSAKUさんは心配した。
「このままだと早死にしてしまうかもしれないと思って。周りのオタク友達だけでなく、これからきっと出会うであろう人たちも、みんなで健康に老後まで推し活を楽しみたい。その一心で、オタク女性向けのパーソナルジムを立ち上げました」