2強2弱! グループEの正当な評価

日本の入ったグループEの4ゕ国は2強2弱。今後、各国のブックメーカーが発表するグループステージ突破のオッズは、ドイツとスペインが大本命になり、日本とは大きな差がつけられるはずだ。2位以上が突破できるという規則上、日本にとっては厳しいグループとなった。

そんななか、W杯で日本が勝ち上がるためにはどう戦えばいいのか。

今回のW杯は過去に各国を悩ませてきた“あの問題”がないことが大きな特徴だ。カタールの国面積は約11500 k㎡。秋田県とほぼ同等の広さであり、非常にコンパクトな立地で行われるストレスフリーなW杯となる。思い返せば、過去3大会では試合のたびに飛行機で何時間も移動し、ホテルも変わり……滞在先では暑い、寒い、高地、低地といった問題に、各チームが悩まされてきた。

カタールW杯日本代表の勝ち筋は!? 初戦・ドイツ戦が鍵となる!_a
ブラジルW杯では慣れない気候のなか暑熱順化にも苦しんだ

カタールではそうした負担がない。試合ごとにホテルを変える必要がなく、試合は近距離のバス移動でOK。これはコンディション上、大きなプラスになる。コロナへの懸念はまだあるものの、今大会は各チームが高いパフォーマンスを目指しやすい環境と言える。

唯一デメリットを挙げるなら、開催時期だ。6月に行われる通常のW杯とは異なり、11月は強化合宿を組めるほど、直前の準備期間が用意されていない。ただ、逆に欧州リーグはシーズン中であるため、欧州でプレーする選手のコンディション不安が少ないのはメリットになる。

開催時期は一長一短だが、総合的に考えると、カタールW杯がパフォーマンスを期待しやすい大会であるのは確かだ。だが、そうなるとますます日本がドイツやスペインにつけこむ隙はなくなってくる。

では強豪国ならではの油断、というものに期待してみようか。

一般的に強豪国は、決勝トーナメント以降を見据えて大会に臨むため、グループステージではコンディションを全開に仕上げてこない、と言われている。強豪国は1ゕ月に及ぶ大会の後半にピークを持ってくるため、尻上がりの調整にすることが多い。

だからこそ、その尻が上がる前にフルスロットルで叩きたい。